2024年2月1日 更新

小説

吸血鬼と逃げた悪魔

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

吸血鬼と逃げた悪魔 第四回

裏切り者 ‌‌ 学食でランチを食べているエリカへ、‌「ね、エリカ、聞いた?」‌ と、大(おお)月(つき)…

2024年1月18日 更新

小説

玉塵

『後宮史華伝 すべて夢の如し』刊行記念 短編集既刊『白き断章 すべて雪の如し』収録短編 全文特別公開

‌‌ 雪色に染めあげられた石(いし)畳(だたみ)の道を華(か)輦(れん)(妃(ひ)嬪(ひん)専用の輿(こし))…

小説

八十年の約定

『後宮史華伝 すべて夢の如し』刊行記念 短編集既刊『紅き断章 すべて華の如し』収録短編 全文特別公開

‌‌ そこは牢獄にしてはあまりにも豪奢だった。‌‌「まるで皇后の住まいだな」‌ 瑠璃(るり)瓦(がわら)がふか…

小説

最川堂の年末、恐怖の忘年会

愚痴聞き地蔵、カンパニーのお家騒動に巻き込まれる。 番外編

仲村 つばき  装画:けーしん

最川堂の年末、恐怖の忘年会

   十二月上旬。 詩し央おうは、パソコンのモニター画面をにらみ、眉間に皺しわをよせていた。おかしい。こ…

小説

雪駆けの狼

双蛇の落胤 番外編

氏家 仮名子  装画:田村 由美

雪駆けの狼

‌ 手綱を握る指には、すでに感覚がなかった。‌ 北へと駆け続けて五日、この辺りの平原はまだ雪に覆われ、風は真冬…

小説

宋帝王からの手紙

‌ ここは生きとし生ける者が輪(りん)廻(ね)する六(ろく)道(どう)のうち、最下層にある地(じ)獄(ごく)道…

小説

eコバルト文庫試し読み連載

亡き王女のオペラシオン

ゆきた 志旗  装画:小鳩 白果

亡き王女のオペラシオン 第五回

【一幕 美しからざるこの世界・三】 ‌ マルトの家は中央市場(レ・アル)近くの小さな通りに面したアパルト…

小説

吸血鬼と逃げた悪魔

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

吸血鬼と逃げた悪魔 第三回

逃亡者 ‌‌「アンリ……」‌「ジャンヌ! 生きてたんだね」‌「お互いに……」‌「うん。――色々聞いたよ。…

2024年1月10日 更新

小説

卵翼の恩

『後宮茶華伝 仮初めの王妃と邪神の婚礼』発売記念 はるおかりの書き下ろし番外編

‌‌「で、用向きはなんですか? まさか長(ちょう)公(こう)主(しゅ)さまともあろうおかたが、一介の騾馬(らば)の栄転…

小説

吸血鬼と逃げた悪魔

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

吸血鬼と逃げた悪魔 第二回

時の迷子 ‌‌ エリカは目を覚ました。‌「何かしら、今の?」‌ ベッドに起き上がって、パジャマ姿で欠伸あ…

小説

eコバルト文庫試し読み連載

亡き王女のオペラシオン

ゆきた 志旗  装画:小鳩 白果

亡き王女のオペラシオン 第四回

【一幕 美しからざるこの世界・二】 ‌ それからというもの、ポン・ヌフでいちばん人気のシャンソニエの傍(…

2023年12月28日 更新

小説

君を怨み君を恨み君が愛を恃(たの)む

『後宮茶華伝 仮初めの王妃と邪神の婚礼』発売記念 はるおかりの書き下ろし番外編

‌‌ 敬(けい)事(じ)房(ぼう)の女官・爪(そう)香(こう)琴(きん)が皇帝付き次席宦(かん)官(がん)・独(どく)…

小説

吸血鬼と逃げた悪魔

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

吸血鬼と逃げた悪魔 第一回

群衆 ‌ 地響きは、さしもの宮殿の建物をも揺るがすばかりだった。‌「宮殿内へ入って来ました!」‌ と、ア…

小説

eコバルト文庫試し読み連載

亡き王女のオペラシオン

ゆきた 志旗  装画:小鳩 白果

亡き王女のオペラシオン 第三回

【一幕 美しからざるこの世界・一】 ‌‌ 一七九七年、共(きょう)和(わ)暦(れき)六年。かつて自由を求…

2023年12月19日 更新

小説

ある日のたまずさ

もののけ寺の白菊丸 番外編

瀬川 貴次  装画:大西 実生子

ある日のたまずさ

‌ 星空のもと、小高い山の緩やかな斜面に、大小の堂(どう)宇(う)が数えきれぬほど点在している。‌ 敷地ばかり…

小説

受け継がれるもの

若旦那さんの「をかし」な甘味手帖 北鎌倉ことりや茶話 番外編

小湊 悠貴  装画:moko

受け継がれるもの

‌「ふっふっふ……」‌ 今年も残り二日となった、十二月三十日。‌ 家事代行サービスの会社に所属している秋(あき…

小説

モーニングルーティン

相棒は犬 転生探偵マカロンの事件簿 番外編

愁堂 れな  装画:奈良 千春

モーニングルーティン

‌ 朝五時。‌ 目覚ましなどかけずとも、毎朝『彼』は目を覚ます。‌ 俺はといえば、勢い良くカーテンが開くシャッ…

小説

eコバルト文庫試し読み連載

亡き王女のオペラシオン

ゆきた 志旗  装画:小鳩 白果

亡き王女のオペラシオン 第二回

【序幕・二】 ‌‌ 脱出できたはいいものの土地勘のない場所で不安だったが、荷馬車の列をひたすら遡(さかの…

小説

親王画眉/夕化粧

『後宮茶華伝 仮初めの王妃と邪神の婚礼』発売記念 はるおかりの書き下ろし番外編

親王画眉 ‌‌「待って、顔を洗う前にもう一回見せて」‌ 整(せい)斗(と)王(おう)妃(ひ)付き首席女官・周(し…

2023年12月8日 更新

小説

eコバルト文庫試し読み連載

亡き王女のオペラシオン

ゆきた 志旗  装画:小鳩 白果

亡き王女のオペラシオン 第一回

【前奏曲】 ‌ どこか不気味さの漂う、異質な女だった。‌ 煌きらびやかな宮殿には似合わぬ質素な身なりの平…

小説

波間の横顔

doi

波間の横顔

 対向車の少ない海岸沿いの道路を私は軽自動車でひたすら走っていた。日差しがやけに強く、海面に反射した光の粒が視…

2023年12月1日 更新

小説

おもかげ

遊川 ユウ

おもかげ 後編

 私が買った帽子と眼鏡をつけた一くんは、何とか皇煌希の面影おもかげを消したものの、お忍びで出かける芸能人そのも…

2023年11月16日 更新

小説

地下の星のお姫様

氏家 仮名子  装画:おと

地下の星のお姫様

 毎週水曜日に彼女は踊る。‌ 狭いステージの上で、仲間たちと踊る。‌ わずかな観客に見守られながら、もがく…

小説

おもかげ

遊川 ユウ

おもかげ 前編

 最初の異変に気付いたのは、駅の改札で待ち合わせたときだった。小走りで駆け寄ってくる彼氏の姿が、推しのアイドル…

小説

これは経費で落ちません! 11 ~経理部の森若さん~ 番外編

お人好しの希梨香

青木 祐子  装画:uki

お人好しの希梨香

「――そんな噂、嘘に決まってる! いや絶対にないって! なぜ太(たい)陽(よう)が森(もり)若(わか)と? あ…

小説

招きねこのフルーツサンド 番外編

ときめきの宝石サンド

後白河 安寿  装画:mashu

ときめきの宝石サンド

 お盆を過ぎ、暑さのピークは通り過ぎた――かと思いきや。‌(とけそう……)‌ 定時で職場を出た実み音ね…

小説

龍の身代わり 偽りの皇帝は煌めく星を恋う 番外編

龍の身代わり 偽りの皇帝は煌めく花園に惑う 

我鳥 彩子  装画:笠井 あゆみ

龍の身代わり 偽りの皇帝は煌めく花園に惑う

 ここは陽(よう)夏(か)国(こく)の京師、夏(か)央(おう)。‌ さても然々(しかじか)な事情で皇帝の身代わ…

小説

ハイランドの花嫁 偽りの令嬢は荒野で愛を抱く

青空の卵

森 りん  装画:亀井 高秀

青空の卵

「おかしいわ。どうしてわたしはスコットランドの森の中で倒れているのかしら……」‌ シャーロットは木漏れ日の下、…

2023年10月19日 更新

小説

宝石商リチャード氏の謎鑑定 ガラスの仮面舞踏会 番外編

きらきら星たちのパーティ

辻村 七子  装画:雪広 うたこ

きらきら星たちのパーティ

‌「みのるさま、よろしいですか。これは私とあなただけで遂行する作戦です」‌ そう言われた時、みのるは今まで…

小説

京都岡崎、月白さんとこ 番外編

秋の心

相川 真  装画:くじょう

秋の心

 秋も深まる十月の末。‌ あけ放たれた窓からするりと入り込んだそれを、青(せい)藍(らん)はそうっとつまみ上げ…

小説

僕の恋、思い出と勝負するのは分が悪すぎる

我鳥 彩子  装画:加藤 綾華

僕の恋、思い出と勝負するのは分が悪すぎる 最終回

   8 「私の家は、祖父が合あい気き道どうの道場を開いているの。私も小さい頃から護身術は仕込まれていた…

2023年10月10日 更新

小説

僕の恋、思い出と勝負するのは分が悪すぎる

我鳥 彩子  装画:加藤 綾華

僕の恋、思い出と勝負するのは分が悪すぎる 第四回

   6  それから数日後の午後、僕はやはり公園にいた。 家を出た時は晴れていたのだが、だんだん雲が広が…