仏蘭西より死の舞踏来る 前編

四方津明子の一日は、西洋寝台の上で目覚めるところから始まる。天蓋つきで、ふかふかと柔らかい寝床である。つい最近まで、中山道の道端や貧しい街の木賃宿で寝起きしてきたことを思うと、まさしく別天地といえる。
「おはようございます、奥様」
まず顔を合わせるのは、女中だ。上着から洋袴までが一つになった、洋風の女中衣装とでも言うべきものを身に纏っている。頭の飾りや前掛けの裾などの縁は、花びらのようにひらひらとしている。
「ご朝食の支度が調うております」
女中が言う。
「ありがとう。頂くわ」
頷いて、明子は寝床から降りた。西洋風と言えば、明子の寝間着も同様だ。一繋ぎになっているという点では女中の服と同じだが、もっとさらさらとした感じの素材でできている。裾は長く、床につくほどだ。もうちょっと表現の仕方はないのか、という感じだが、おべべの話はよく分からないので致し方ない。
「かしこまりました。それでは食堂においでくださいませ」
女中が、寝室の扉を開ける。可愛らしい服装とは対照的に、その表情は淡々としている。どこか人形めいた印象を受けるほどだ。
服装と対照的と言えば、明子の振るまいも同様だ。のしのしと武人の如く歩く。まあ、本当に武人であるからしてやむを得ない。
「旦那様は、西園寺卿のお呼び出しで、歌会にいらっしゃっています」
食堂に向かう途中、女中が言った。歌会とは、公家の如き嗜みである。まあ、本当に公家であるからして当然ではある。
「西園寺卿は歌を苦手とされておいでので、助力をお願いされたようです」
「なるほど。公家の基本みたいなものなのに。不良公家を自称するだけはあるわね」
話しているうちに、二人は食堂についた。広々とした空間に、円形の洋卓が置いてある。
明子は洋卓についた。朝食のメニューは、ゆで卵に麺麭、牛酪、そして取っ手のついた洋風茶碗に満たされている黒い液体だった。
「この飲み物は何かしら」
明子は女中に訊ねた。落ち着き払っているふうだが、内心では大変はらはらしている。毒ということはないだろうが、さりとて薬ということもあるまい。色合いはめんつゆに近いが、めんつゆの出番があるような献立とも思えない。
「珈琲にございます。西洋の茶の如きもので、豆を挽いて淹れるものです。香りが大変ようございますよ」
女中が言った。明子は恐る恐る洋風茶碗を手に取り、香りを確かめてみる。
「あら」
女中の言う通りだ。胸がぎゅっと痺れるような、心がうきうきと弾むような、不思議で素敵な香りである。
「苦うございますので、砂糖を足したりもいたします」
「いらないわ。子供の飴じゃあるまいし」
ふふんと笑い、明子は珈琲なる飲み物に口をつける。
「ぬうう」
明子は呻いた。なるほど、苦い。ある種の愛想のようなものがなく、苦さが苦さとして妥協なく示されている。
「次から砂糖をおつけしますね」
女中が後ろから声を掛けてくる。
「い、いらないわ」
平静を装いながら、洋風茶碗を置く明子であった。
食事を終え、気迫と根性で珈琲も飲み干す。食堂を後にし洗顔等を済ませると、明子は書斎に移動した。次なる日課が待っているのだ。
書斎の壁という壁のほとんどは、天井まで届く巨大な書棚で埋め尽くされている。一つだけ開いている壁には、作り付けの机と椅子が用意されている。
書棚も机も椅子も、西洋で作られたものだ。煙で燻したかのように、黒に近いほど深い茶色の木で作られている。欅や桐とは、まるで違う色味だ。微かに甘い香りが鼻をかすめるのは、この異国の木が放つものだろうか。
椅子に座ると、持ってきた簪を机の上に置く。白く凛とした輝きを放つ簪は、重厚な書斎に軽やかな色味をもたらす。
髪を手早くまとめて簪で留めると、明子は机の上に積まれている紙の束を自分の前に置いた。新聞である。これを読むのが、次なる日課というわけだ。
伊藤博文、山県有朋の両参議が、井上馨参議の邸宅で密議をこらしたらしい。揃いも揃って長州の大物である。怪しい。よからぬことを企んでいるに違いない。
仏蘭西では灸が流行っているらしい。日本に来た向こうの医師が、興味を持って持ち帰ったそうだ。明子も女中に据えてもらうことがしばしばある。西洋舞踏の練習で足がぱんぱんになった時など、大いに助かったものだ。
新潟には銀行の支店が一つしかなかったが、この度第一国立銀行の新潟支店が新たにできた。皇女が御不例、すなわち病気だったが、快復した――記事の一つ一つに目を通していく。新聞を読むのは、この屋敷に来る前からの習慣でもある。新聞は、明治という時代の最先端だ。
一通り読み終わると、明子は椅子から立ち上がった。書棚の前を行ったり来たりし、納められている本を見て回る。庶民が楽しむ読物の類から、どの国の言葉か分からない洋書まで色々ある。書斎の主は興味の範囲が幅広く、それが蔵書にも表れている。
やがて、明子は一冊の本を手にした。英国の波斯邊鎖なる人物の書いた本だ。尾崎行雄という有名な新聞記者が訳している。明治十年十二月に出版されたとのことらしい。
机に戻り椅子に座ると、明子は本を開いた。訳者による、漢文の自序から始まっている。レとか一とか二とかいった訓点がついていないので、自分流で大体のところを読み下していく。
――黄吻の書生、漫に翰墨を弄び大家奥玅の書を訳す、啻に行文その序を失し言語その当を得ざるのみならず、或いは原意に違い妙理を害うこと未だ知るべからざるなり。
――若造が調子に乗って筆を執り、偉い人の深遠な本を訳してしまった。単に文法やらを間違えているどころの話ではなく、文章の意味を取り違えて奥深い理を損なっているかもしれない。参ったなあ。
なるほど謙虚なことであるなあ、などと考えながら読み進める。書見もまた、明子の日課である。四方津家は、文武両道の家柄なのだ。
しばらく読み進めたところで、明子は顔を上げた。書斎の扉が、静かに開かれたのだ。
「あら、治尊様」
入ってきたのは、一人の男性だった。
すらりとした細身の体に、整った目鼻立ち。穏やかな表情と落ち着きを湛えた瞳は、この書斎の主に相応しい学問と知性の深さを感じさせる。
今日の治尊は、瀟洒な和服に身を包んでいた。和服には、揚羽蝶紋があしらわれていた。線のみで図柄を表現する陰紋である。
「書見ですか。精が出ますね」
男性――明子の夫である等持院治尊は、そう言って微笑みかけてきた。
「はい。興味深い本が沢山で」
椅子に座ったままで、明子はそう答える。椅子からわざわざ立ち上がったり、跪いて三つ指をついたりしない。治尊がそんな態度を好まないし、明子自身もやりたいわけではない。そもそも契約によって結婚したので、二人は対等の関係なのだ。主従を思わせる儀礼は不要なのである。
「ほう、難しい本を読まれていますね」
側まで来て、治尊は言った。
「はい。まだ初めの方ですけど、『能力を発揮することがこそが、人にとって幸福なのである』って見方、すごく頷かされます。一方で、そうすべき理由の大元に『それが神の意思だからである』って考え方が根付いているのは、耶蘇の地ならではだなあって思います」
新しい考え方で満ちた本だ。しっくり来るところもあれば、戸惑わされる部分もある。だからこそ読み甲斐がある。違う人間の目を通して、異なる考え方に触れる。本を読む価値は、そこにあるのだ。
「なるほど、なるほど」
治尊は、感心したように頷く。
「治尊様も、ご本を?」
明子が訊ねると、治尊は微笑んだ。
「いえ、おあきさんを探していました」
どきり、と胸が高鳴る。
「少しお願いがあったのです。でも、どうぞお気になさらず。興が乗っていらっしゃるようなら――」
「いえいえ、そんな!」
本を閉じると、明子は立ち上がった。結局立つのかという感じだが、何だか落ち着き払って座っていられなくなったのだ。
「是非仰ってください。なんでもお力になりますよ」
三つ指は突かない明子だが、頼み事には二つ返事で応える。二人は夫婦である。物事には、一体となって取り組むのだ。
「ありがとうございます」
そう言って、治尊は嬉しそうに笑ったのだった。
屋敷の庭に、ばちばちという小気味良い音と、ぎこぎこという力強い音とが響く。
「大丈夫ですか?」
剪定鋏を手にした治尊が、そう訊ねてくる。槇の木の側に立ち、枝の端を丁寧に剪っている。ばちばちという音は、彼によるものだ。
「ええ、ご心配なく」
脚立の上から、明子はそう答えた。手にした鋸を太い枝に当て、前後させる。ぎこぎこを担当している訳である。
明子も治尊も、先程とは違う服装をしている。洋袴に長靴という、西洋の庭師がしているだろう出で立ちだ。
「交替しませんか? やはり、高いところで鋸は危ないですよ」
そう言って、治尊は剪定鋏を示してくる。
「いえいえ。突く専門の家柄なものですから、刃物で断つって新鮮で楽しいです」
治尊の申し出はありがたく遠慮して、明子は鋸を振るう。
コツについての知識はある。単調に押し引きするのではなく、引く時力を入れるのだ。実際やってみると、確かにそんな感じである。
鋸の刃が、枝を削り細かい粉を散らせる。鈍い色の樹皮が剥がれ、その下の明るい色の部分が剥き出しになる。そこを更に削っていく。
「呼びに来てみたら、何をやっているんだお前たちは」
明子が鋸に熱中していると、呆れたような声が、した。男性のものだが、治尊ではない。
「庭木の手入れにございます」
ちらりと声の主を見ながら、明子は言った。
「それは見れば分かる」
声の主は、洋装の男性だった。明子たちが着ている実用第一なものとは違い、襟締を着け帽子を被るという小粋な感じの出で立ちだ。洒落者、伊達男といった表現がしっくりくる。
「まったく、どこの世界に夫婦力を合わせて庭木をいじる貴族がいるというのだ」
「ここにおります」
しれっと治尊が答え、
「人の幸福はその能力を使用してのみ得べきなり、と申します」
明子もそれに付け足す。
「スペンサーか。やれやれ、すっかりいっぱしの論客になってしまったようだな」
男性――西園寺公望は、呆れたような感心したような口ぶりでそう言った。
西園寺公望といえば、政治の現場で活躍する公家としてその名を知られている。脚立の上で応対していい相手ではない。だというのになぜやっているのか。
「つまり、お前は木を切ることが幸福なのか。さすがは山と木しかない甲州からやって来ただけはある」
この通り、公望が意地悪だからなのである。
「廃藩置県で山梨という名になったのも面白い話だ。山しかないのにやまなし県とはな」
そんなことを言って、公望はにやりとした。
「確か歌会にいらしていたのでは。人の家の庭仕事や県名についてただ見解を述べられるよりも、三十一文字で雅に歌い上げられてはいかがですか」
明子は意地悪に意地悪で返すことにした。
「歌は正直得手ではない。漢詩の方がまだよい」
公望が、むすっとした口ぶりで答える。
「存じ上げております」
そう言って、へへんと明子は笑った。
「なるほど。西園寺卿が歌が苦手だということを知っていながら、素知らぬふりで歌を詠んではと勧め、苦手だと言うことを説明させ、歌会で他のお公家様から『面白い歌を詠まはりますなあ。私どもには、とてもそんな歌は思いつきまへん』『ざん切り頭を叩いた訳でもおへんのに、文明開化の音がしてはりますわ』などと嫌味を言われたことを思い出させるという大変高度な計略なのですね」
治尊が、心から感心したように頷く。
「具体的かつ網羅的に解説するな。妻はともかく、夫はわざとではないから始末に負えん」
公望が苦々しい顔で腕を組んだ。
「――そろそろ本題に入るぞ。俺は『いけず』を応酬しに来たわけではない。他に用事がある」
「歌の稽古ですか。治尊様、どうぞいちから手ほどきして差し上げなさいませ」
「違う」
「遠慮なさらず。一緒に、敷島の道の奥深さを堪能しましょう」
「違うと言っている」
二人の言葉にいちいち突っ込みを入れてから、公望は言った。
「お勤めの話だ。『妖務課』のな」
明治の御代の文明開化により、西洋から様々なものが日本へと流入している。それは洋服のような文物であったり、自由思想のような価値観であったりする。
しかし実のところ、他にも入り込んできているものがある。
「――何ですか、あれ」
明子は唖然としていた。視線の先では、とんでもない『乱痴気騒ぎ』が繰り広げられている。
「骸骨が踊っています」
治尊が、具体的に説明する。
まさしくその通りである。十や二十ではきかないほどの骸骨の群れが、揃って踊っているのだ。
滅多矢鱈に手足(勿論すべて骨である)を動かしている骸骨もいれば、二人一組で抱き合うようにして踊っている骸骨もいる。総じて動きは日本の踊りとは程遠く、西洋のそれであるように見える。
「西洋の絵画には、死の恐怖を表現するために髑髏が踊る姿を描くという様式があります。死の舞踏と呼ばれます」
骸骨の群れを見やりながら、治尊が説明を続ける。
「その死の舞踏は、何も人々の想像の産物というわけではありません。現実に存在するからこそ、絵の題材となり得たのです」
「なるほど。そして今は、洋怪として大暴れしているのですね」
明子は頷いた。
洋怪。それは文字通り、洋を渡ってやってきた怪異のことである。骸骨たちの踊りが西洋っぽいのは、ざん切り頭の如く表面的に取り入れたものではない。本物の舶来だからなのだ。
「ええ。死を恐れる気持ちは、洋の東西を問いませんから」
治尊は言った。中々に重い言葉である。しかし骸骨たちの踊りはどこか滑稽で、今一死に直面している感じはしない。骸骨というものの宿命かもしれない。不気味な一方で、何だかおかしみを兼ね備えているのが骸骨だ。
「何にせよ、骸骨の群れが踊るのは確かによろしくないですね」
明子は言った。生きている人間がええじゃないかええじゃないかと乱舞しただけで、世の中の屋台骨が揺らいだのだ。骸骨であるなら、尚更大変なことになるだろう。
「場所もまずいです。何しろ、ここは飛鳥山公園ですので」
周囲を見回しながら、治尊が言った。
飛鳥山公園。上野公園や芝公園などと共に日本初の公園として整備された地だ。江戸時代からの行楽地で、桜の名所としても有名である。
「どうして飛鳥山公園だとまずいんですか」
明子は首を傾げた。公園だろうとどこだろうと、大勢の骸骨が踊り狂ってまずくない場所などどこにもないようにも思える。
「渋沢栄一様の別荘に程近いのです」
治尊が言うなり、明子は思いっきり顔をしかめた。
「ざまあみやがれじゃないですか。むしろ打ち壊すよう誘導しましょうよ」
諸事情により、明子は政府の関係者ほぼ全員に悪い心証を抱いている。元々幕臣であったにもかかわらず政府に出仕し、大蔵省の高官として何やかやと動いた渋沢栄一など、不倶戴天の敵といってよい。
「そうはいかん。『渋沢栄一の別荘が骸骨の群れに襲われ破壊された』なんてことになると、世間に与える動揺が大きすぎる」
公望が指摘した。
「むう」
明子は呻く。そう。諸事情により、明子は悪い心証しかない政府の役人として働く羽目になっているのだ。すまじきは宮仕えである。
「話し合いはできないのですか?」
明子の問いに、公望は渋い顔をした。
「うむ。仏蘭西から来た洋怪らしくてな。俺は仏蘭西語はそれなりにできるので通詞を買って出たが、失敗に終わった。『狼藉が過ぎると実力行使もある』と伝えたところ、『我々は死のかげの谷を歩むことになっても恐れない』と聖書を引用して反論してきた。もう死んでいるので、死すら怖くないということらしい」
「さすがは耶蘇の国というか」
骨だけの姿になっても、行動を律しているのは切支丹の教えらしい。骨身に徹しているということだろうか。
「日本の幽霊に坊主の読経が効くようなものだ。そもそも、生前般若心経や蓮如の御文の内容を理解していたわけでもないのに何となく恐れているわけだが――」
何事か話しかけて、公望は言葉を切り振り返る。
「あまり喋っている時間もないようだ」
明子も、彼の視線の先に目をやった。遠くで、何人かの子供がきゃっきゃと騒ぎながら走り回っている。追いかけっこに夢中で気づいていないようだが、この様子だといずれ骸骨の群れに気づきそうだ。
「子供に『公園で遊ぶな』と言うのもおかしな話だが」
そう言って、公望は指を鳴らす。
途端、子供たちは茫然とその場に立ちつくした。それから回れ右をし、まるで何かに操られるような足取りで立ち去っていく。
「ご覧の通り、西園寺卿のお力もあり、今のところ都民の皆様に具体的な被害が出てはいません」
治尊が言う。
「だが、いつまでもそうしているわけにも参りません」
実際、骸骨たちの大騒ぎはどんどん過激なものになっている。しゃれこうべを投げ合ったり、腕を片方外して棒代わりにして殴り合ったり、勢いをつけてぶつかり合ってばらばらになったり。何しろ表情がないので考えていることが分からないが、表現されているのが心温まる愛や穏やかな平和ではないことは伝わってくる。
「建物が壊れたなら、直せばよい。しかし、人の体や心が傷つけば、治すのはとても大変です」
治尊が呟き、
「渋沢栄一の別荘を守らねばならんのも、同じことだ。別荘が壊れることが問題なのではない。別荘が壊れることで、人々が漠然と信じている『日常』が崩れることが問題なのだ」
公望が頷く。
「――なるほど」
ただ「天下国家の安定」を考えただけの理屈であれば、明子は反発しただろう。しかし、治尊も公望も、「一人一人の暮らしの安寧」にも目を向けている。そうであれば、納得できる。
「抑え込むなら、今のうちというわけですね」
明子は自分の頭に手をやり、簪を抜いた。続けて頭を軽く振って髪を流すと、奇しきを禁ずるための歌――禁奇の歌を唱える。
唱え終わるや、簪に変化が生まれた。眩いばかりの光を放ち、その姿を大きく長く変化させていく。
光はやがて消え、簪は姿を変じていた。一本の、槍へと。
簪と同じく、白く鮮やかな佇まい。穂先は先程放った光を纏い、不思議の力が宿っていることを示している。
歌宝、白根。治尊から借り受けた、降魔の武具である。
「さて」
その槍を、明子は轟々と回転させる。穂先の光が、絵筆の如くその軌道を空中に描き出していく。
槍は体にしっかり馴染む。これから自分は戦える。確信と共に、明子は槍を構えた。
「四方津未明流宗家、四方津明子。参る!」
名乗りを上げ、骸骨たちの群れに突っ込む。
【つづく】