2025年12月26日 更新

その他

【「銀の海 金の大地」復刊完結記念トークショー ~佐原ひかり&嵯峨景子の「銀金愛」を語る夕べ(ネタバレあり)~】開催レポート

このレポートは、2025年11月21日(金)にジュンク堂書店池袋本店で開催された『銀の海 金の大地』復刊完結記念イベン…

小説

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん 第三回

トラブル  その後は――当然、なるべくしてなったのである。 夜十二時に、クロロック家のチャイムが鳴り、「…

小説

奥乃桜子 現代ファンタジー 新作競演

奥乃 桜子

ネコではない、✕✕である。【前編】

リイン(株)サポート室の怪しい日常

 東(とう)京(きょう)駅(えき)のすぐそば、再開発の進む八(や)重(え)洲(す)の一等地を見下ろす高層フロアにて、御…

小説

奥乃桜子 現代ファンタジー 新作競演

奥乃 桜子

ネコではない、✕✕である。【後編】

リイン(株)サポート室の怪しい日常

 ますます小(こ)夏(なつ)はうろたえた。さすがに話が違うではないか。「……これってネコダマ案件ではないですよね。わた…

小説

奥乃桜子 現代ファンタジー 新作競演

奥乃 桜子

黄泉月奇譚【前編】 

怪異接待課のふたり

「やっちゃえよ」 芽め吹ぶき朋とも也やがはじめてその声を聞いたのは、職場の最寄り駅だった。終電間際に若い男とすれ違…

小説

奥乃桜子 現代ファンタジー 新作競演

奥乃 桜子

黄泉月奇譚【後編】

怪異接待課のふたり

 黄(よ)泉(み)鳥(どり)はどのデスクにも近寄らず、漫画本を携(たずさ)えたまま突きあたりへ歩を進めた。「……エース…

2025年12月18日 更新

小説

【奇譚】都市伝説解体センター

氏家 仮名子  装画:リック

#5 【7年前の亡霊・後編】

「……おはようございます」「おはよ」と運転席で答えるジャスミンは、心なしか顔色が悪いように見える。 かくいうあ…

小説

私の青い鳥(?)

後宮真誌怪 あやかし好事家の空白異変 番外編

希多 美咲  装画:花守

私の青い鳥(?)

 紅(こう)紗(さ)族を代表して和(わ)南(なみ)島から帝都『蓮(れん)陽(よう)』に渡って早半年。香(こう)…

小説

若林のモノローグ

相棒は犬 3 転生探偵マカロンの事件簿 番外編

愁堂 れな  装画:奈良 千春

若林のモノローグ

 運命の出会い。組長と盃(さかずき)を交わした以外にそんな出会いが自分に訪れることなどあるまいと、二年前のあの…

小説

感情は誰にも勘定できない

争族なんて聞いてない! 新米税理士、初仕事は女たちの戦場で 番外編

ひずき 優  装画:加藤木 麻莉

感情は誰にも勘定できない

 藤(ふじ)村(むら)税理士事務所は、銀(ぎん)座(ざ)の路地裏にある雑居ビルの二階に看板を出している。 ドア…

小説

コーンスープの夜

京都岡崎、月白さんとこ 秋染まる嵐と静かの月 番外編

相川 真  装画:くじょう

コーンスープの夜

 リビングの時計は、先ほどから遅々として進まない。 ため息交じりに立ち上がった青(せい)藍(らん)は、空(から…

小説

宿下がり

掌侍・大江荇子の宮中事件簿 八 番外編

小田 菜摘  装画:ペキォ

宿下がり

 かぐわしい梅の香りが漂う庭に、鶯(うぐいす)の鳴き声が響いた。 荇(こう)子(こ)は雑巾を握る手を止め、簀子…

小説

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん 第二回

空中の出来事 「にぎやかでよろしい」 と、フォン・クロロックは言った。「ワア」 と、虎(とら)ちゃん、こ…

2025年12月10日 更新

小説

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん 第一回

消える 「人間が一人、消えて失くなるなんてこと、あると思う?」 いきなりそう訊かれて、どう答えればいいの…

2025年11月19日 更新

小説

【奇譚】都市伝説解体センター

氏家 仮名子  装画:リック

#4 【7年前の亡霊・前編】

 暗い廊ろう下かを歩いている。 明かりは外から漏もれ入るかすかな街灯と、スマホのライトだけ。 視界が暗い分、響…

小説

雪が降ってる

ハルシネーションの庭 番外編

村崎 なつ生  装画:紀伊 カンナ

雪が降ってる

 髪ってここまで傷(いた)むものなんだなあ、と牡(ぼ)丹(たん)の頭部を濡らしながら七(なな)緒(お)は考える…

小説

鬼さんの夏休み

ワケあっておチビと暮らしてます 夏休み 番外編

鈴森 丹子  装画:雨宮 うり

鬼さんの夏休み

 小さな靴箱が備え付けられた、コンパクトな玄関。 短い廊下の右手にはトイレ、左手には洗面台と浴室。 奥へ進むと…

2025年11月14日 更新

その他

【特別レポート】新井素子と桑原水菜 が誘う『コバルト』の世界

コバルト文庫の1980年代を代表する新井素子と、1990年代を代表する桑原水菜が「あの頃」を語るとっておきのトークイベ…

2025年11月10日 更新

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【佳作】『と』はじめました(著:近藤太一)

 ゴウンゴウンと機械の稼働音が工場中に響き渡る。 ライン内では青い液体がタンクに満たされ、同僚の作業員が重そうにそのタ…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【佳作】女優の門出(著:かささぎかづる)

 自動音声が『七十三階に到着しました』と淡々と告げ、エレベーターの銀の扉が涼やかな音を立てて開いた。りん。 降りたフロ…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【佳作】味蕾人(著:鈴河すずか)

 神奈川県田綱郷亜(あ)土(ど)村の村民は、未知の味覚『ゆがい』を持っている。 その事実が急激に広まったのは、友人に料…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【佳作】タンピース(著:自由一花)

 午前六時四十七分。アキラの体内センサーが最適な起床時刻を告げると同時に、部屋の照明が徐々に明るくなる。壁面のスクリー…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【入選】美味しいの世界素晴らしい世界(著:中村沙奈)

 検査結果を聞いてスズキは肩を落とした。まだこの星に来て三年もたたないのにあの病気に感染してしまったのだ。それは一種の…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【入選】NAME WAR ―呼称戦争記―(著:青乃家)

 あれはまだ日本が平和だった頃、いや、既に精神面では暴発の一歩手前まで進んでいた頃の話だ。 大学一年生の夏。僕達クイズ…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【入選】悪食(著:久野友萬)

 目が覚めると小方ルミナと目が合った。一気に目が覚めた。「おはようございます」 と俺は朝の挨拶をする。 俺の部…

まんが試し読み

スープ屋まにまにの小さな奇跡

心ほどけるミルクポトフ

ほっとひと息つけると、幸せが見えてくる。

柴野 理奈子  装画:マメイケダ

スープ屋まにまにの小さな奇跡 心ほどけるミルクポトフ まんが試し読み

2025年10月31日 更新

小説

Hello!Expo Ring

岡林 石子  装画:田中 舞

Hello! Expo Ring 後編

 2 丈子  蒼そうちゃんは赤ちゃんの頃から、ウチの顔になんとなく似とった。そやけど、子供って顔変わるっ…

2025年10月17日 更新

小説

Hello!Expo Ring

岡林 石子  装画:田中 舞

Hello! Expo Ring 前編

 1 蒼馬  僕、間(ま)山(やま)蒼(そう)馬(ま)は、自分の顔が嫌いだ。 特にこの、腫(は)れぼった…

小説

歳の市の幻花

術式結晶は闇に歌う 帝都術式捜査録 番外編

森 りん  装画:春野 薫久

歳の市の幻花

 術(じゅつ)式(しき)捜査三課の勤務棟は、真冬であっても温かい。壁に組み込まれた術式結晶が、建物全体を温めて…

新人賞

第235回 短編小説新人賞

【入選】B駅行き愚者のバス(著:遠窓ヒスイ)

「またこの人か」と思って、私はおばさんを見上げた。 次のバス停で降りるために、私は座ったまま手を伸ばして、降車…

新人賞

第235回 短編小説新人賞

【佳作】山姥(著:小林温書)

「ゆうりちゃんにお願いがあるんだけど」 帰りの会が終わり、ランドセルを背負って四年二組の教室を出ようとすると、…

新人賞

第235回 短編小説新人賞

【最終選考作品】キラキラ(著:浅木まこ)

 一人で神(じん)保(ぼう)町(ちょう)の喫(きっ)茶(さ)店(てん)に来た。 まだ注文は来ていない。でも、もう出てし…