2026年5月8日 更新

新人賞

第237回短編小説新人賞

【最終選考作品】松風荘の暗がりで(著:御子柴あやな)

「死ねばいいのにね」 耳のすぐそばで声を聞いた時、私は初め自分の心が漏(も)れて、音になったのかと思った。だってそれは…

新人賞

第237回短編小説新人賞

【最終選考作品】小晦日(著:夜澄大曜)

 小晦日。こつごもり。十二月三十日。大(おお)晦日(みそか)の前日。 私はその言葉を常連客のハビさんに教えてもらった。…

新人賞

第237回短編小説新人賞

【最終選考作品】めざわり(著:下田悠子)

 夕焼けチャイムに起こされて今日も絶望する。俺はあの音が今、なによりも憎い。正しい人間であれば朝からの活動が終了し、よ…

新人賞

第237回短編小説新人賞

【最終選考作品】天藤教授の研究(著:遠藤駿二)

 アデリーペンギンの雄(おす)は気に入った雌(めす)に小石を差し出す。あなたと一緒に巣を作りたい、繁(はん)殖(しょく…

新人賞

第237回短編小説新人賞

【佳作】ひとの煙(著:藤みのる)

 そびえ立つ一本の長い煙突は、建物の比率と比べるとはるかに細長く、今まで見たどんなものよりも、高く遠く異質なも…

新人賞

第237回短編小説新人賞

【佳作】しゃかしゃか(著:松あかり)

 ミーティングルームはやたらと空調が効いていて、今朝、迷いに迷ってヒートテックに貼ったカイロは完全に蛇(だ)足…

小説

グレイス・グレイス

東雲 めめ子  装画:mugico

グレイス・グレイス 最終回

――匂いがわかった気がする。 その言葉に駆り立てられるように、私はモバイルバッテリーの改良に没頭した。 昼間は…

小説

吸血鬼と炎の雨

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

吸血鬼と炎の雨 第五回

会見 「多くの命を奪った、この度たびの攻撃は、決して許されるものではありません」 TVのニュース画面に登…

まんが試し読み

税理士 鮫島桐子

彼女の目は、ごまかせない。

橘 マコト  装画:蛭塚 都

税理士 鮫島桐子 まんが試し読み

まんが試し読み

四人のナオちゃん

また『ナオちゃん』なの…?

松本 愛世  装画:AiLeeN

四人のナオちゃん まんが試し読み

まんが試し読み

佐藤の告白

俺って、何か悩んでた方がいいんですか?

藤紘  装画:中島 花野

佐藤の告白 まんが試し読み

2026年5月1日 更新

小説

グレイス・グレイス

東雲 めめ子  装画:mugico

グレイス・グレイス 第三回

「グレイスさん」 遠くから呼ばれた名前が、自分のものだと認識するまでに少し間があった。 芝しば生ふで行方ゆくえ…

小説

吸血鬼と炎の雨

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

吸血鬼と炎の雨 第四回

予言と商売  そこはモダンなオフィスビルだったが、一階正面の受付で、受付嬢を相手にしゃべっている男がいた…

2026年4月16日 更新

小説

男と男 クソデカ感情短編小説 連載企画

崎谷 はるひ  装画:瀬尾 ユキミチ

その渇きは恋ではなく

 がたたん、ごとん。本日も電車は走っている。 総(そう)武(ぶ)横(よこ)須(す)賀(か)線、千葉東京神奈川の…

小説

グレイス・グレイス

東雲 めめ子  装画:mugico

グレイス・グレイス 第二回

 会いたいと思うと、なぜかボルトフ先生は捕まらないのだ。 私はひとまず日次報告として、イリヤにグレイスの希望に…

小説

あやかし乙女と狐の道行き

あやかし乙女のご縁組 3 〜神託から始まる契約結婚〜 番外編

七沢 ゆきの  装画:榊 空也

あやかし乙女と狐の道行き

 僕のご主人は可愛い。 長い三つ編みは僕の尻尾とおそろいみたいで、見ているだけで嬉しくなる。「はい、辰(しん)…

小説

竜に乗った魔法使い

魔法使いのお留守番 魔女編 番外編

白洲 梓  装画:kokuno

竜に乗った魔法使い

 悲鳴が聞こえた、と思った瞬間、背中に誰かがぶつかってきた。 秋の収穫祭で賑(にぎ)わう町の目抜き通りには、い…

小説

吸血鬼と炎の雨

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

吸血鬼と炎の雨 第三回

謎から謎へ  クロロックとエリカは、M大学の受付窓口で、「今日、菊きく池ち広こう太たさんとお会いする約束…

2026年4月10日 更新

小説

グレイス・グレイス

東雲 めめ子  装画:mugico

グレイス・グレイス 第一回

 わたし。あたし。いいえ、私? 何度か脳――いわゆる『顔』? 中央演算処理装置に画像認識処理装置、そのほか諸も…

小説

吸血鬼と炎の雨

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

吸血鬼と炎の雨 第二回

事故 「子供はいい。くたびれたら眠ってしまえばいいのだからな」 クロロックが珍しく弱音を吐いている。 そ…

まんが試し読み

魔法使いのお留守番

魔女編

未来でも、同じ景色が見られますように。

白洲 梓  装画:kokuno

魔法使いのお留守番 魔女編 まんが試し読み

2026年4月1日 更新

小説

吸血鬼と炎の雨

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

吸血鬼と炎の雨 第一回

予言  昼下がりの公園は、日射しに溢あふれて暖かかった。「十二月とは思えないね」 と言ったのは、大おお月…

2026年3月18日 更新

小説

魔法使いの料理番

魔法使いのお留守番 四大魔法使い編 番外編

白洲 梓  装画:kokuno

魔法使いの料理番

 あれは三年前の、寒い冬の日のことでした。 木枯らしが吹く中、私はいつものように、お気に入りのレストランへと向…

2026年3月10日 更新

まんが試し読み

魔法使いのお留守番

四大魔法使い編

あの場所で、ずっとあなたを待っている。

白洲 梓  装画:kokuno

魔法使いのお留守番 四大魔法使い編 まんが試し読み

2026年2月19日 更新

小説

敬川先輩の怪異否定録 ―おはぎコロッケ―

敬川先輩の怪異否定録 ーとあるネット掲示板の書き込みについてー 番外編

新田 漣  装画:ふすい

敬川先輩の怪異否定録 ―おはぎコロッケ―

「ずっと気になってたんすけど、歌(うた)クンってどこに住んでるんすか?」 西日に照らされた埃(ほこり)がきらき…

小説

七夕のふたり

早都子と夢乃 大正鎌倉ノスタルヂア 番外編

香月 せりか  装画:小夜子

七夕のふたり

 夕暮れ時、授業を終えた夢(ゆめ)乃(の)が早(さ)都(と)子(こ)と共に寄宿舎に戻ると、寮生たちがはしゃぎな…

小説

虎のお掃除

咎姫恋歌 虎王バヤルが抱いた調べ 番外編

瑚池 ことり  装画:蔀 シャロン

虎のお掃除

「ち、ちがうわ。わたくしは仙女じゃなくて、天(てん)岑(しん)の廟にお仕えする、ただの掃除婦なのよ!」 サリー…

小説

アロハ日和

若旦那さんの「をかし」な甘味手帖 3 北鎌倉ことりや茶話 番外編

小湊 悠貴  装画:moko

アロハ日和

 八月某日、鎌(かま)倉(くら)駅―――「こんにちは、志(し)貴(き)さん」 約束した時間の五分前。聞き覚えの…

小説

うさ耳キャスケット

羽良 ゆき  装画:shiho

うさ耳キャスケット【後編】

 夕方のサンプリングというのは学校や仕事帰りの人たちをターゲットとするものだが、ここは表参道という場所柄(がら…

2026年2月10日 更新

小説

うさ耳キャスケット

羽良 ゆき  装画:shiho

うさ耳キャスケット【前編】

「――はい。わかりました、お願いします」 大学二年の夏休み。本来ならば伸び伸びと遊びつくしたいところだったが、…

新人賞

第236回 短編小説新人賞

【最終選考作品】奇天烈な一日(著:山口夏人)

 午前十一時二十五分。大さじ三の水。大さじ二のしょうゆ。大さじ一の酒。大さじ一の砂糖。大さじ一のオイスターソース。小さ…

新人賞

第236回 短編小説新人賞

【最終選考作品】快楽の境地(著:瀬川想)

「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピーッ」 浮ついた身体(からだ)でバランスを崩さないように、足を上げる。真下は水面。地味に遠…