2025年4月17日 更新

新人賞

第233回 短編小説新人賞

【最終選考作品】田口弘美という人

「チケットが買えなかったから、転売されているチケットでコンサートに行ってきたの」 目の前に座る「田(た)口(ぐち)弘(…

新人賞

第233回 短編小説新人賞

【最終選考作品】奇跡の一枚(著:あいうちあい)

 もう使わないからと言って、僕は長らく借りていた一眼レフカメラを父に返した。それは逆立ちしても高校生の手には届かない高…

新人賞

第233回 短編小説新人賞

【最終選考作品】まちがいさがし(著:ラム・и)

 耳元で鳴り響く爆音。布団を蹴(け)っ飛ばして起き上がったおれは、スマホの画面に浮かぶストップのアイコンを素早くタップ…

新人賞

第233回 短編小説新人賞

【佳作】発光する車谷くん(著:岡林石子)

 私の目が君をどんな風に見ていても、他言しなければ合法の範(はん)疇(ちゅう)だ。 視力の違いといった単純な理…

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第233回 短編小説新人賞

【佳作】もしもの同居人(著:明海透)

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第233回短編小説新人賞 選評『田口弘美という人』 春野陽

編集D タイプが違う二人の女性の、微妙な関係性が描かれた話でした。一人称で語られている物語ですが、主人公の「私」は…

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第233回短編小説新人賞 選評『奇跡の一枚』 あいうちあい

編集B カメラ好きの高校生、「僕」のお話です。ある日主人公は、自分には出生時に亡くなった双子の弟がいたことを知らさ…

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第233回短編小説新人賞 選評『発光する車谷くん』 岡林石子

編集E 作品の内容が内容だけに、最初はイチ推しするのをためらいました……。でも、やっぱり勇気をもって正直に言うこと…

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第233回短編小説新人賞 選評 『もしもの同居人』明海透

編集A パラレルワールド系のお話ですね。私はイチ推しにしました。ある日、アパートに帰ってみたら、そこにもう一人の「…

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第233回短編小説新人賞 選評『まちがいさがし』 ラム・И

編集A 202X年7月18日を何度も繰り返すたび、間違いを一つずつ見つけ出していくという、ループ系のお話です。ゆる…

2025年1月20日 更新

新人賞

第232回 短編小説新人賞

【最終選考作品】蒼穹へ泳げ(著:水鳥たま季)

age39. ここに、一本のボールペンがある。 ペンの軸(じく)は透明だ。持つ角度を変えると、魚のキャラクターのフロー…

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第232回 短編小説新人賞

【最終選考作品】川沿いに桜(著:寝癖)

 二度目の賃貸契約更新の紙切れが届いて、当たり前みたいにあたしたちの関係も更新されないことが決まった。 四年前、大学を…

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第232回 短編小説新人賞

【最終選考作品】わたしは回転木馬(著:堀祐貴)

〈一〉  近ごろ私は、馬に乗っている。 なんということはない。他にすることがないので、仕方なくだ。夜もすがら…

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第232回 短編小説新人賞

【佳作】さいごのひともじ(著:瀬野那成)

 夏休みが明けると必ず全校集会があるのはどうしてなのか。三学期制ではないから始業式でもないし、夏休み前のように…

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第232回 短編小説新人賞

【佳作】ぴしゅたこの墨(著:蛯原テトラ)

 幽(ゆう)煙(えん)の自宅に辿(たど)り着いた時、辺りにはまだ強い雨が降っていた。 悪天候で新幹線の運行に影…

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第232回 短編小説新人賞

【入選】兄の鳥葬(著:飛鳥休暇)

   おにいの死体には今日も鳥が群がっている。 丘の上の平たい大岩に放置されたおにいの身体(からだ)は、…

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第232回短編小説新人賞 選評 『さいごのひともじ』瀬野那成

編集A 高評価している人が多い作品です。私も高い点数を付けました。多感な少年時代の、忘れがたい出来事のお話。淡くて…

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第232回短編小説新人賞 選評 『ぴしゅたこの墨』蛯原テトラ

編集A すごく雰囲気のある作品ですね。独自の世界観を描き出せています。 編集C 「何かが起こりそう」という期…

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第232回短編小説新人賞 選評 『わたしは回転木馬』堀祐貴

編集B 毎晩夢の中で遊園地に行っている主人公が、その遊園地の管理人だという人物を現実世界で偶然見つけて……というお…

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第232回短編小説新人賞 選評 『兄の鳥葬』飛鳥休暇

編集A 昔からの掟に従って皆が暮らしている、とある辺境の村。そこに生まれ、そこで生きる少女の、一人称で語られる物語…

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第232回短編小説新人賞 選評 『蒼穹へ泳げ』水鳥たま季

編集A 辛い家庭環境にいる女の子が、不思議と心の通じ合う祖父の存在に支えられ、大人になっていく様を描いたお話です。…

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第232回短編小説新人賞 選評 『川沿いに桜』寝癖

編集D 同棲していた若いカップルがマンネリに陥って、「もう別れよう」と決まったところから始まる物語です。別々の場所…

2024年10月17日 更新

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第231回 短編小説新人賞

【入選】宝くじの行方(著:山田麻矢)

「長(は)谷(せ)川(がわ)さん宝くじ買いに行くんですか」 同僚の梅(うめ)木(き)萌(もえ)が、食べ終わった…

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第231回 短編小説新人賞

【佳作】夏の橋渡り(著:つなべ夏)

 やっぱりやめよ。私は投げやりな気持ちで橋の欄干(らんかん)にもたれかかり、ちろちろ流れる小川を見下ろしてポッ…

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第231回 短編小説新人賞

【最終選考作品】最後のご飯(著:瀬木逢涼)

 人生が終わる時、最後に食べたいものは――と何回か聞かれた。 決めているものはあっても、どうやっても叶わないし、そもそ…

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第231回 短編小説新人賞

【最終選考作品】怪物譚(著:秋畑義定)

 初めて踏む上(じょう)州(しゅう)伊香保(いかほ)の地は硫黄(いおう)臭(くさ)くて落ち着かないが、温泉歓楽街らしく…

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第231回 短編小説新人賞

【最終選考作品】24seconds(著:大槻華子)

 23,98秒  試合時間は残り24秒をきった。 勝てるか勝てないか今のお前等に聞く。 だが俺は、「勝てない」という言…

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第231回 短編小説新人賞

【最終選考作品】あいつの葬式、宗派なに?(著:薄田もなか)

『トシのやつ死んだらしいぞ』 もう三年ほど会っていない高校時代の親友の一人から届いたメール。四十七歳の内(ない)藤(と…

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第231回短編小説新人賞 選評 『最後のご飯』瀬木逢涼

編集E 職場で疲弊しすぎて死すら頭をよぎる状態の主人公が、不思議な居酒屋に辿り着き、心を癒されて生き方を変えるお話で…

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第231回短編小説新人賞 選評 『宝くじの行方』山田麻矢

編集A とてもかわいいお話ですね。私は大好きです。 編集B 私もです。 青木 「いいものを読ませてもらった…

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第231回短編小説新人賞 選評 『夏の橋渡り』つなべ夏

編集E 主人公が高校生だったときの、とある事件の真相が明らかになり、何年も抱え続けていた罪悪感が晴れるというお話で…

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第231回短編小説新人賞 選評 『あいつの葬式、宗派なに?』薄田もなか

編集A 高校時代に仲良し男子3人組だった内の一人が亡くなり、残る二人が、彼らなりのやり方で故人を見送るというお話です…