2024年4月18日 更新

小説

清らで妙なる朝露のごとき

私のマリア 番外編

東雲めめ子  装画:西條ユリカ

清らで妙なる朝露のごとき

‌ 私の享(きょう)年(ねん)は十七だった。‌ 数え年ならば十九というべきだろうか。とにかく高三だったのだ。私…

小説

ミスター・ラスと金色の少年

レディ・ファントムと灰色の夢 番外編

栢山シキ  装画:SNC

ミスター・ラスと金色の少年

‌ オルランド王国の首都・リーヴァイの中心からほど近い、それなりに裕福な中流階級が住んでいる地域に、そのテラス…

小説

思い出は優しい味

天狐のテンコと葵くん たぬきケーキを探しておるのじゃ 番外編

西東子  装画:サコ

思い出は優しい味

‌ 全国的に晴れ渡った、秋のある日。‌ 東京近郊の山(やま)間(あい)の町・山(さん)王(のう)町(ちょう)は…

新人賞

第229回 短編小説新人賞

【最終選考作品】ねずみ花火

‌ 機械的な音を鳴らしながら火(か)葬(そう)炉(ろ)が開かれた。職員の人たちが台車に乗った棺(ひつぎ)をゆっくり…

新人賞

第229回 短編小説新人賞

【最終選考作品】増量する過去、減量する未来(著:八木真平)

‌ ケイスケは目覚めるとゴミ袋をベッドにしていた。ハトとカラスとネズミがかわるがわる訪問してくる人気スポットだった…

新人賞

第229回 短編小説新人賞

【佳作】ゆにこぉん・プリン(著:白石 智)

‌ 容疑者は無職の二十代男性――。もし自分がいま罪を犯したらニュースでそう読み上げられるんだろう。‌ 男性は日…

新人賞

第229回 短編小説新人賞

【入選】祭りの夜に(著:金沢夜空)

‌ 学生の時分の話である。‌ うだるような暑い夏の夕方だった。アパートの六畳(じょう)間(ま)で効きの悪い…

新人賞

第229回短編小説新人賞 総評

編集B 今回は「調べる」ということをテーマに話し合いたいと思います。投稿作を読んでいると、「これはちゃんと調べた上…

新人賞

第229回短編小説新人賞 選評 『ゆにこぉん・プリン』白石智

編集I 親の顔色ばかり窺って生きてきた二十代の男性が、自分の足で一歩踏み出すお話です。ストーリーにあっと驚くようなひ…

新人賞

第229回短編小説新人賞 選評 『ねずみ花火』鷹岡柊斗

編集A おじいちゃんが突然亡くなってしまった、中1の男の子のお話です。とはいっても、沈鬱なムードはありません。むしろ…

新人賞

第229回短編小説新人賞 選評 『増量する過去、減量する未来』八木真平

編集A タイムリープものですね。しかも、ほんの半日くらいのタイムリープ。この「ちょっとやり直す」というサイズ感が、短…

新人賞

第229回短編小説新人賞 選評 『祭りの夜に』金沢夜空

編集A とても面白かったです。気になる点もいくつかあるのですが、とにかく引き込まれて読みました。 青木 すごく雰…

新人賞

2023年度年間最優秀賞 選評

『あの有馬記念』(第224回入選) 編集A 話がどんどんひっくり返っていく感じが、とても面白かったです。 …

2024年2月19日 更新

新人賞

第228回 短編小説新人賞

【入選】浅ましき化け物(著:祇光瞭咲)

‌ 音(おと)助(すけ)は足を止め、遥(はる)か遠(えん)州(しゅう)灘(なだ)に臨(のぞ)む水平線を振り返っ…

新人賞

第228回 短編小説新人賞

【最終選考作品】冬乙女の口づけ(著:桐生燈子)

‌ アルドナは冬が好きだ。‌ 鼻が曲がるような汗と垢(あか)のこびりついた体臭も、糞(ふん)尿(にょう)の匂いも、床(…

新人賞

第228回 短編小説新人賞

【最終選考作品】あの日々/あの日々(著:上田しん)

‌ 視界が白くなるほどの大雨の中で、俺は佇(たたず)んでいた。ここがどこかわからない。どこに向かえばいいのか、どんな気…

新人賞

第228回 短編小説新人賞

【最終選考作品】サクラメント(著:あむだ前歯)

‌ 横168cm、奥行と高さは大体80cm。‌ 押し入れの下の段、使い勝手が悪いからとうそぶいて空(から)にしたままだ…

新人賞

第228回短編小説新人賞 総評

編集A 今回は、「情報の出し方」について話し合っていきたいと思います。 青木 今回の候補作は、どれも文章はう…

新人賞

第228回短編小説新人賞 選評 『サクラメント』あむだ前歯

編集A 支配的な夫に隠れて推し活をしている主婦のお話です。彼女がのめり込んでいるのは宝塚。だから、いわゆるヅカオタ…

新人賞

第228回短編小説新人賞 選評 『浅ましき化け物』祇光瞭咲

編集A 人魚伝説を軸にした、ホラーテイストの作品です。とにかくもう、抜群に面白かったですね。 青木 話に…

新人賞

第228回短編小説新人賞 選評 『冬乙女の口づけ』桐生燈子

編集A 翻訳文学を思わせる文体で描かれたファンタジー作品です。舞台は、架空の中世・東欧あたりなのかな? とても雰囲…

新人賞

第228回短編小説新人賞 選評 『あの日々/あの日々』上田しん

編集A 大学生の男の子たちの、過去の認識の違いが浮き彫りになっていくお話です。「実はあのとき……」と明かされていく…

2023年12月19日 更新

新人賞

第227回 短編小説新人賞

【入選】プロポーズは三度目に(著:樹れん)

‌ あ、結婚したい。恋人の額に保冷剤を当てた瞬間、陽(ひ)凪(な)はそう思った。春の平日、お風呂上がりについさ…

新人賞

第227回 短編小説新人賞

【最終選考作品】幸福な孤独(著:まかろん)

‌ 夕食時、BGM代わりに流していたテレビ画面に映し出された外国の女性が、しきりに「深い山です。そこに工場がある。木材…

新人賞

第227回 短編小説新人賞

【最終選考作品】スピカ(著:岩月きさらぎ)

‌ 外れた音を叩いた人差し指からミスが広がる。心臓が嫌な音を立て、視界がみるみるうちに狭まっていく。緻(ち)密(みつ)…

新人賞

第227回 短編小説新人賞

【最終選考作品】トンネル(著:池田佑)

‌ 十二歳の夏、ぼく梶(かじ)井(い)陸(りく)は母と四つ下の妹はるとともに、東京から母の生まれ故郷の田舎(いなか…

新人賞

第227回短編小説新人賞 総評

編集F 今回は「キャラ表」をテーマに話し合いたいと思います。「キャラクター表」「キャラシート」など、いろいろ呼び方はあ…

新人賞

第227回短編小説新人賞 選評 『トンネル』池田佑

編集I 田舎へ引っ越してきた12歳の少年と、クラスメイトの少女との、淡い心の触れ合いを描いた作品です。主人公も新島さん…

新人賞

第227回短編小説新人賞 選評 『幸福な孤独』まかろん

編集A 一人称で語られる主人公目線で読んでいたら、ラストでひっくり返されるという作品です。いわゆる「信用できない語り手…

新人賞

第227回短編小説新人賞 選評 『プロポーズは三度目に』樹れん

編集C なんともかわいらしいお話ですね。文章は素直で読みやすく、引っかかるところもほとんどない。30枚をノーストレスで…

新人賞

第227回短編小説新人賞 選評 『スピカ』岩月きさらぎ

編集A ピアノに打ち込む少年たちのお話です。作品から「音楽」が聞こえてくるところは、とても良かったと思います。 …

2023年10月19日 更新

新人賞

第226回 短編小説新人賞

【最終選考作品】編み拭う日々(著:岸田怜子)

 わたしがトイレに行くと、だいたい掃(そう)除(じ)中の気がする。‌「ただいま清掃中 ご協力お願いします」と書かれた立…