方言恋愛小説賞
【佳作】勇者の恋人(著:黒瀬かすみ)
『僕の愛(いと)しいミルシュカ。早く君に会いたいです。周りは軍人ばかり。大勢の人の中にミルシュカがいても誰も気にしな…
2024年7月10日 更新
『僕の愛(いと)しいミルシュカ。早く君に会いたいです。周りは軍人ばかり。大勢の人の中にミルシュカがいても誰も気にしな…
「卒業式終わったら、東京行くことなったわ」と健(けん)に言われたとき、わたしは当たり前に旅行だと思ったから、「ええな…
殺人的な暑さで夏の全国ニュースを騒がせる岐阜県東濃(とうのう)地方だが、今は十二月。恵(え)那(な)峡(きょう)の…
2024年4月18日 更新
レディ・ファントムと灰色の夢 番外編
栢山 シキ 装画:SNC
オルランド王国の首都・リーヴァイの中心からほど近い、それなりに裕福な中流階級が住んでいる地域に、そのテラス…
私のマリア 番外編
東雲 めめ子 装画:西條 ユリカ
私の享(きょう)年(ねん)は十七だった。 数え年ならば十九というべきだろうか。とにかく高三だったのだ。私…
天狐のテンコと葵くん たぬきケーキを探しておるのじゃ 番外編
西 東子 装画:サコ
全国的に晴れ渡った、秋のある日。 東京近郊の山(やま)間(あい)の町・山(さん)王(のう)町(ちょう)は…
機械的な音を鳴らしながら火(か)葬(そう)炉(ろ)が開かれた。職員の人たちが台車に乗った棺(ひつぎ)をゆっくり…
ケイスケは目覚めるとゴミ袋をベッドにしていた。ハトとカラスとネズミがかわるがわる訪問してくる人気スポットだった…
容疑者は無職の二十代男性――。もし自分がいま罪を犯したらニュースでそう読み上げられるんだろう。 男性は日…
学生の時分の話である。 うだるような暑い夏の夕方だった。アパートの六畳(じょう)間(ま)で効きの悪い…
『あの有馬記念』(第224回入選) 編集A 話がどんどんひっくり返っていく感じが、とても面白かったです。 …
編集A とても面白かったです。気になる点もいくつかあるのですが、とにかく引き込まれて読みました。 青木 すごく雰…
編集A タイムリープものですね。しかも、ほんの半日くらいのタイムリープ。この「ちょっとやり直す」というサイズ感が、短…
編集A おじいちゃんが突然亡くなってしまった、中1の男の子のお話です。とはいっても、沈鬱なムードはありません。むしろ…
編集I 親の顔色ばかり窺って生きてきた二十代の男性が、自分の足で一歩踏み出すお話です。ストーリーにあっと驚くようなひ…
編集B 今回は「調べる」ということをテーマに話し合いたいと思います。投稿作を読んでいると、「これはちゃんと調べた上…
2024年2月19日 更新
音(おと)助(すけ)は足を止め、遥(はる)か遠(えん)州(しゅう)灘(なだ)に臨(のぞ)む水平線を振り返っ…
アルドナは冬が好きだ。 鼻が曲がるような汗と垢(あか)のこびりついた体臭も、糞(ふん)尿(にょう)の匂いも、床(…
視界が白くなるほどの大雨の中で、俺は佇(たたず)んでいた。ここがどこかわからない。どこに向かえばいいのか、どんな気…
横168cm、奥行と高さは大体80cm。 押し入れの下の段、使い勝手が悪いからとうそぶいて空(から)にしたままだ…
編集A 今回は、「情報の出し方」について話し合っていきたいと思います。 青木 今回の候補作は、どれも文章はう…
編集A 大学生の男の子たちの、過去の認識の違いが浮き彫りになっていくお話です。「実はあのとき……」と明かされていく…
編集A 翻訳文学を思わせる文体で描かれたファンタジー作品です。舞台は、架空の中世・東欧あたりなのかな? とても雰囲…
編集A 人魚伝説を軸にした、ホラーテイストの作品です。とにかくもう、抜群に面白かったですね。 青木 話に…
編集A 支配的な夫に隠れて推し活をしている主婦のお話です。彼女がのめり込んでいるのは宝塚。だから、いわゆるヅカオタ…
2023年12月19日 更新
編集I 田舎へ引っ越してきた12歳の少年と、クラスメイトの少女との、淡い心の触れ合いを描いた作品です。主人公も新島さん…
あ、結婚したい。恋人の額に保冷剤を当てた瞬間、陽(ひ)凪(な)はそう思った。春の平日、お風呂上がりについさ…
夕食時、BGM代わりに流していたテレビ画面に映し出された外国の女性が、しきりに「深い山です。そこに工場がある。木材…
外れた音を叩いた人差し指からミスが広がる。心臓が嫌な音を立て、視界がみるみるうちに狭まっていく。緻(ち)密(みつ)…
十二歳の夏、ぼく梶(かじ)井(い)陸(りく)は母と四つ下の妹はるとともに、東京から母の生まれ故郷の田舎(いなか…
編集F 今回は「キャラ表」をテーマに話し合いたいと思います。「キャラクター表」「キャラシート」など、いろいろ呼び方はあ…
編集A 一人称で語られる主人公目線で読んでいたら、ラストでひっくり返されるという作品です。いわゆる「信用できない語り手…