
第231回短編小説新人賞 選評 『24seconds』大槻華子
編集E 全国中学校バスケットボール大会の、決勝戦を描いた作品です。それも、ラストの24秒間をです。「あと24秒の間…
2024年10月17日 更新
編集E 全国中学校バスケットボール大会の、決勝戦を描いた作品です。それも、ラストの24秒間をです。「あと24秒の間…
編集B 江戸時代の、にんぎょう作りの職人のお話です。「にんぎょう」とは、見世物小屋に卸す、作り物の怪物の剥製のこと。…
2024年9月10日 更新
三浦 しをん / 今野 緒雪 / 似鳥 鶏 / 丑尾 健太郎
どの作品も熱意や独自のセンスが感じられ、大いに刺激を受けました。 今回から、選考委員を担当させていただくことに…
三浦 しをん / 今野 緒雪 / 似鳥 鶏 / 丑尾 健太郎
自分の「好き」を読者の「面白い」に変えるためには。 今回も激戦でした。選考委員ごとにいち推しの作品が違い、三作…
三浦 しをん / 今野 緒雪 / 似鳥 鶏 / 丑尾 健太郎
疑問に思ったら、まず調べてみましょう。恐ろしいのは、疑問に思わないことです。 暴力、虐待、だめな親、年下の男の…
三浦 しをん / 今野 緒雪 / 似鳥 鶏 / 丑尾 健太郎
登場人物たちに寄り添いつつ、きちんとストーリーを構築しようという作者の姿勢は、書くうえでものすごく大切な資質だ。 …
2024年8月30日 更新
樹 れん / doi 装画:葵 装画:mashu
逸(いつ)子(こ)が元恋人のその投稿を目にしたのは、一人暮らしのアパートで、浴室の湯船に浸かっている時だっ…
樹 れん / doi 装画:葵 装画:mashu
「ジョー、あそこに飛行している個体がいる。近くで見たい、捕ってきたまえ」 地球には本当に『鳥』が実在するの…
2024年8月1日 更新
そこなお方、今、安(やす)田(だ)家の仇(あだ)討(う)ちの話をしておられたな。待て、待て、居(い)酒(ざ…
その日、わが社に王女様が入社した、と社内中がざわついた。 ことの発(ほっ)端(たん)は、社長の一言だっ…
付き合ってもうすぐ半年の恋人である、福(ふく)永(なが)俊(しゅん)介(すけ)と同棲(どうせい)している部屋は、大学…
火葬場の待合室で紙コップに入った緑茶を持ち上げた。温(ぬる)くなった緑茶はどこか黄色味がかって見えて、先日行った健…
幾重にも重ねられた薄絹のヴェールのような夜の帳(とばり)が一枚ずつ剥(は)がれ、埃(ほこり)っぽい部屋に光が射し込…
「……え?」 フリーマーケットが催(もよお)されている公園の一角で、俺は大(おお)袈(げ)裟(さ)に驚いてみせた。…
編集D とても親しい友人、それも、兄のように慕っていた人を亡くした主人公の、心の内が描かれた作品でした。一人称の語りの…
編集A イチ推ししている人もいれば、低い点数をつけている人もいます。評価はかなり分かれていますね。 編集B かな…
編集E 非常に美しい世界観を持ったファンタジー作品です。私はイチ押しにしました。 編集D 「宝石の涙を流す少女」…
編集B ユーモアにあふれた作風が、とても魅力的でした。語り手がセルフツッコミをするというのは、やり方次第では空回ってし…
編集C 主人公は、大学生の女の子。同棲している恋人の俊介のなにもかもが大好きで、幸福な毎日を満喫中なのですが、ある日、…
編集B とても書き慣れてますよね。しかも、客観性を持って書けているなと思います。だから、話に入り込みやすかった。 …
2024年7月10日 更新
〝世間は狭い〟 東真子(あずままこ)はこの言葉の意味を、ずっと勘違いしていた。「なあ知っとる? 隣のクラスのアイ…
最初は、なんじゃぁ黒い小さい奴が、柴(しば)をかついで山道ふらふらあるいとった。 あんまり小さいもんじゃから、荷…
『僕の愛(いと)しいミルシュカ。早く君に会いたいです。周りは軍人ばかり。大勢の人の中にミルシュカがいても誰も気にしな…
殺人的な暑さで夏の全国ニュースを騒がせる岐阜県東濃(とうのう)地方だが、今は十二月。恵(え)那(な)峡(きょう)の…
「卒業式終わったら、東京行くことなったわ」と健(けん)に言われたとき、わたしは当たり前に旅行だと思ったから、「ええな…
2024年4月18日 更新
私のマリア 番外編
東雲 めめ子 装画:西條 ユリカ
私の享(きょう)年(ねん)は十七だった。 数え年ならば十九というべきだろうか。とにかく高三だったのだ。私…
レディ・ファントムと灰色の夢 番外編
栢山 シキ 装画:SNC
オルランド王国の首都・リーヴァイの中心からほど近い、それなりに裕福な中流階級が住んでいる地域に、そのテラス…
天狐のテンコと葵くん たぬきケーキを探しておるのじゃ 番外編
西 東子 装画:サコ
全国的に晴れ渡った、秋のある日。 東京近郊の山(やま)間(あい)の町・山(さん)王(のう)町(ちょう)は…
機械的な音を鳴らしながら火(か)葬(そう)炉(ろ)が開かれた。職員の人たちが台車に乗った棺(ひつぎ)をゆっくり…
ケイスケは目覚めるとゴミ袋をベッドにしていた。ハトとカラスとネズミがかわるがわる訪問してくる人気スポットだった…
容疑者は無職の二十代男性――。もし自分がいま罪を犯したらニュースでそう読み上げられるんだろう。 男性は日…
学生の時分の話である。 うだるような暑い夏の夕方だった。アパートの六畳(じょう)間(ま)で効きの悪い…