2026年2月10日 更新

小説

うさ耳キャスケット

羽良 ゆき  装画:shiho

うさ耳キャスケット【前編】

「――はい。わかりました、お願いします」 大学二年の夏休み。本来ならば伸び伸びと遊びつくしたいところだったが、…

新人賞

第236回 短編小説新人賞

【最終選考作品】奇天烈な一日(著:山口夏人)

 午前十一時二十五分。大さじ三の水。大さじ二のしょうゆ。大さじ一の酒。大さじ一の砂糖。大さじ一のオイスターソース。小さ…

新人賞

第236回 短編小説新人賞

【最終選考作品】快楽の境地(著:瀬川想)

「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピーッ」 浮ついた身体(からだ)でバランスを崩さないように、足を上げる。真下は水面。地味に遠…

新人賞

第236回 短編小説新人賞

【最終選考作品】何も持たずに行こう(著:谷地雪)

 そうだ、終点まで行ってみよう。 ある日突然思いついたその案を実行すべく、俺は早朝、品(しな)川(がわ)駅に立っていた…

新人賞

第236回 短編小説新人賞

【最終選考作品】フモンカンの日(著:琵楼渓水)

「おい、フモンカン、取り壊されるって」 遅番の小(お)川(がわ)が最悪のニュースを連れて出勤した。「やばいじゃん」「や…

新人賞

第236回 短編小説新人賞

【佳作】問われる十畳(著:原沢青)

「まいったなあ……」「まいりましたね……」 二人がそんなやり取りをした回数も、そろそろ二桁(けた)に突入しかけ…

新人賞

第236回 短編小説新人賞

【入選】山本、誘拐される(著:山田結衣)

 月曜日。朝目を覚ますと、そこは助手席だった。知らない車だ。運転席には市役所総務課の同僚、原(はら)田(だ)さ…

2026年1月19日 更新

まんが試し読み

ジャレッド・エドワーズの殺害依頼

そこにいたのは、十年前、俺が全てを奪った人だった。

小菅 あすか  装画:ハルカゼ

ジャレッド・エドワーズの殺害依頼 まんが試し読み

その他

阿部暁子×宮島未奈 本屋大賞受賞作家スペシャル対談

2024年の本屋大賞受賞者、宮島未奈さんと、2025年の同賞受賞者、阿部暁子さん。実はお二人には、デビュー前に…

小説

パンの夢

魔王のかまど 番外編

瑚池 ことり  装画:庭 春樹

パンの夢

「――うむ、風除けを張って炉に薪(たきぎ)を足した。娘の寝袋も広げたし、これでいいな」 ハルは指さし確認した。…

小説

はじまり~語り部による前ふり~

王稜五閣の花姫御殿 番外編

梨沙  装画:春が野 かおる

はじまり~語り部による前ふり~

「今日は見事な晴天ですなあ」 荷物を背負い直した旅人が畑仕事に精を出す女に声をかける。女は顔を上げ、腰を叩きな…

小説

君を想う

十番様の縁結び 9 神在花嫁綺譚 番外編

東堂 燦  装画:白谷 ゆう

君を想う

 その宝石を見たとき、一番に浮かんだのは妻のまなざしだった。 鮮やかに咲き誇る、椿(つばき)の赤。 この石があ…

小説

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん 最終回

心の迷子 「おじさん」 その声に、中(なか)野(の)はハッとした。 朝、駅へ向かうバスの中だ。昔ほどでは…

2026年1月9日 更新

小説

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん 第四回

発見  鳥の鳴く声で目が覚める。 これこそ、理想の暮らしだ! 六十才の定年を過ぎても、さらに十年以上働き…

2025年12月26日 更新

その他

【「銀の海 金の大地」復刊完結記念トークショー ~佐原ひかり&嵯峨景子の「銀金愛」を語る夕べ(ネタバレあり)~】開催レポート

このレポートは、2025年11月21日(金)にジュンク堂書店池袋本店で開催された『銀の海 金の大地』復刊完結記念イベン…

小説

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん 第三回

トラブル  その後は――当然、なるべくしてなったのである。 夜十二時に、クロロック家のチャイムが鳴り、「…

小説

奥乃桜子 現代ファンタジー 新作競演

奥乃 桜子

ネコではない、✕✕である。【前編】

リイン(株)サポート室の怪しい日常

 東(とう)京(きょう)駅(えき)のすぐそば、再開発の進む八(や)重(え)洲(す)の一等地を見下ろす高層フロアにて、御…

小説

奥乃桜子 現代ファンタジー 新作競演

奥乃 桜子

ネコではない、✕✕である。【後編】

リイン(株)サポート室の怪しい日常

 ますます小(こ)夏(なつ)はうろたえた。さすがに話が違うではないか。「……これってネコダマ案件ではないですよね。わた…

小説

奥乃桜子 現代ファンタジー 新作競演

奥乃 桜子

黄泉月奇譚【前編】 

怪異接待課のふたり

「やっちゃえよ」 芽め吹ぶき朋とも也やがはじめてその声を聞いたのは、職場の最寄り駅だった。終電間際に若い男とすれ違…

小説

奥乃桜子 現代ファンタジー 新作競演

奥乃 桜子

黄泉月奇譚【後編】

怪異接待課のふたり

 黄(よ)泉(み)鳥(どり)はどのデスクにも近寄らず、漫画本を携(たずさ)えたまま突きあたりへ歩を進めた。「……エース…

2025年12月18日 更新

小説

私の青い鳥(?)

後宮真誌怪 あやかし好事家の空白異変 番外編

希多 美咲  装画:花守

私の青い鳥(?)

 紅(こう)紗(さ)族を代表して和(わ)南(なみ)島から帝都『蓮(れん)陽(よう)』に渡って早半年。香(こう)…

小説

若林のモノローグ

相棒は犬 3 転生探偵マカロンの事件簿 番外編

愁堂 れな  装画:奈良 千春

若林のモノローグ

 運命の出会い。組長と盃(さかずき)を交わした以外にそんな出会いが自分に訪れることなどあるまいと、二年前のあの…

小説

感情は誰にも勘定できない

争族なんて聞いてない! 新米税理士、初仕事は女たちの戦場で 番外編

ひずき 優  装画:加藤木 麻莉

感情は誰にも勘定できない

 藤(ふじ)村(むら)税理士事務所は、銀(ぎん)座(ざ)の路地裏にある雑居ビルの二階に看板を出している。 ドア…

小説

コーンスープの夜

京都岡崎、月白さんとこ 秋染まる嵐と静かの月 番外編

相川 真  装画:くじょう

コーンスープの夜

 リビングの時計は、先ほどから遅々として進まない。 ため息交じりに立ち上がった青(せい)藍(らん)は、空(から…

小説

宿下がり

掌侍・大江荇子の宮中事件簿 八 番外編

小田 菜摘  装画:ペキォ

宿下がり

 かぐわしい梅の香りが漂う庭に、鶯(うぐいす)の鳴き声が響いた。 荇(こう)子(こ)は雑巾を握る手を止め、簀子…

小説

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん 第二回

空中の出来事 「にぎやかでよろしい」 と、フォン・クロロックは言った。「ワア」 と、虎(とら)ちゃん、こ…

2025年12月10日 更新

小説

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん 第一回

消える 「人間が一人、消えて失くなるなんてこと、あると思う?」 いきなりそう訊かれて、どう答えればいいの…

2025年11月19日 更新

小説

雪が降ってる

ハルシネーションの庭 番外編

村崎 なつ生  装画:紀伊 カンナ

雪が降ってる

 髪ってここまで傷(いた)むものなんだなあ、と牡(ぼ)丹(たん)の頭部を濡らしながら七(なな)緒(お)は考える…

小説

鬼さんの夏休み

ワケあっておチビと暮らしてます 夏休み 番外編

鈴森 丹子  装画:雨宮 うり

鬼さんの夏休み

 小さな靴箱が備え付けられた、コンパクトな玄関。 短い廊下の右手にはトイレ、左手には洗面台と浴室。 奥へ進むと…

2025年11月14日 更新

その他

【特別レポート】新井素子と桑原水菜 が誘う『コバルト』の世界

コバルト文庫の1980年代を代表する新井素子と、1990年代を代表する桑原水菜が「あの頃」を語るとっておきのトークイベ…

2025年11月10日 更新

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【佳作】『と』はじめました(著:近藤太一)

 ゴウンゴウンと機械の稼働音が工場中に響き渡る。 ライン内では青い液体がタンクに満たされ、同僚の作業員が重そうにそのタ…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【佳作】女優の門出(著:かささぎかづる)

 自動音声が『七十三階に到着しました』と淡々と告げ、エレベーターの銀の扉が涼やかな音を立てて開いた。りん。 降りたフロ…