2025年12月18日 更新

小説

宿下がり

掌侍・大江荇子の宮中事件簿 八 番外編

小田 菜摘  装画:ペキォ

宿下がり

 かぐわしい梅の香りが漂う庭に、鶯(うぐいす)の鳴き声が響いた。 荇(こう)子(こ)は雑巾を握る手を止め、簀子…

小説

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん 第二回

空中の出来事 「にぎやかでよろしい」 と、フォン・クロロックは言った。「ワア」 と、虎(とら)ちゃん、こ…

2025年12月10日 更新

小説

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

迷子の迷子の吸血鬼ちゃん 第一回

消える 「人間が一人、消えて失くなるなんてこと、あると思う?」 いきなりそう訊かれて、どう答えればいいの…

2025年11月19日 更新

小説

雪が降ってる

ハルシネーションの庭 番外編

村崎 なつ生  装画:紀伊 カンナ

雪が降ってる

 髪ってここまで傷(いた)むものなんだなあ、と牡(ぼ)丹(たん)の頭部を濡らしながら七(なな)緒(お)は考える…

小説

鬼さんの夏休み

ワケあっておチビと暮らしてます 夏休み 番外編

鈴森 丹子  装画:雨宮 うり

鬼さんの夏休み

 小さな靴箱が備え付けられた、コンパクトな玄関。 短い廊下の右手にはトイレ、左手には洗面台と浴室。 奥へ進むと…

2025年11月14日 更新

その他

【特別レポート】新井素子と桑原水菜 が誘う『コバルト』の世界

コバルト文庫の1980年代を代表する新井素子と、1990年代を代表する桑原水菜が「あの頃」を語るとっておきのトークイベ…

2025年11月10日 更新

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【佳作】『と』はじめました(著:近藤太一)

 ゴウンゴウンと機械の稼働音が工場中に響き渡る。 ライン内では青い液体がタンクに満たされ、同僚の作業員が重そうにそのタ…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【佳作】女優の門出(著:かささぎかづる)

 自動音声が『七十三階に到着しました』と淡々と告げ、エレベーターの銀の扉が涼やかな音を立てて開いた。りん。 降りたフロ…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【佳作】味蕾人(著:鈴河すずか)

 神奈川県田綱郷亜(あ)土(ど)村の村民は、未知の味覚『ゆがい』を持っている。 その事実が急激に広まったのは、友人に料…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【佳作】タンピース(著:自由一花)

 午前六時四十七分。アキラの体内センサーが最適な起床時刻を告げると同時に、部屋の照明が徐々に明るくなる。壁面のスクリー…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【入選】美味しいの世界素晴らしい世界(著:中村沙奈)

 検査結果を聞いてスズキは肩を落とした。まだこの星に来て三年もたたないのにあの病気に感染してしまったのだ。それは一種の…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【入選】NAME WAR ―呼称戦争記―(著:青乃家)

 あれはまだ日本が平和だった頃、いや、既に精神面では暴発の一歩手前まで進んでいた頃の話だ。 大学一年生の夏。僕達クイズ…

新人賞

第2回 ディストピア飯小説賞

【入選】悪食(著:久野友萬)

 目が覚めると小方ルミナと目が合った。一気に目が覚めた。「おはようございます」 と俺は朝の挨拶をする。 俺の部…

まんが試し読み

スープ屋まにまにの小さな奇跡

心ほどけるミルクポトフ

ほっとひと息つけると、幸せが見えてくる。

柴野 理奈子  装画:マメイケダ

スープ屋まにまにの小さな奇跡 心ほどけるミルクポトフ まんが試し読み

2025年10月31日 更新

小説

Hello!Expo Ring

岡林 石子  装画:田中 舞

Hello! Expo Ring 後編

 2 丈子  蒼そうちゃんは赤ちゃんの頃から、ウチの顔になんとなく似とった。そやけど、子供って顔変わるっ…

2025年10月17日 更新

小説

Hello!Expo Ring

岡林 石子  装画:田中 舞

Hello! Expo Ring 前編

 1 蒼馬  僕、間(ま)山(やま)蒼(そう)馬(ま)は、自分の顔が嫌いだ。 特にこの、腫(は)れぼった…

小説

歳の市の幻花

術式結晶は闇に歌う 帝都術式捜査録 番外編

森 りん  装画:春野 薫久

歳の市の幻花

 術(じゅつ)式(しき)捜査三課の勤務棟は、真冬であっても温かい。壁に組み込まれた術式結晶が、建物全体を温めて…

新人賞

第235回 短編小説新人賞

【入選】B駅行き愚者のバス(著:遠窓ヒスイ)

「またこの人か」と思って、私はおばさんを見上げた。 次のバス停で降りるために、私は座ったまま手を伸ばして、降車…

新人賞

第235回 短編小説新人賞

【佳作】山姥(著:小林温書)

「ゆうりちゃんにお願いがあるんだけど」 帰りの会が終わり、ランドセルを背負って四年二組の教室を出ようとすると、…

新人賞

第235回 短編小説新人賞

【最終選考作品】キラキラ(著:浅木まこ)

 一人で神(じん)保(ぼう)町(ちょう)の喫(きっ)茶(さ)店(てん)に来た。 まだ注文は来ていない。でも、もう出てし…

新人賞

第235回 短編小説新人賞

【最終選考作品】虚構の代替品(著:あみに)

 いつだって冬は寒い。今年の冬は例年よりさらに寒かった。デパートの外商が持ってきたハイブランドのコートを冷たい風にはた…

新人賞

第235回 短編小説新人賞

【最終選考作品】アイオライト(著:萬代あや)

 昼に発令された梅雨(つゆ)入り宣言を裏打ちするかのように、やむ気配を見せない雨が降り続いている。雑居ビル特有の閉鎖的…

新人賞

第235回 短編小説新人賞

【最終選考作品】透明で美しい魚たち(著:水野すきま)

2 水族館なんて何が楽しいかわからないけど、心(ここ)愛(あ)がはしゃいで嬉しそうにしているから、まあいっかって思った…

2025年10月10日 更新

小説

振って降られて吸血鬼

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

振って降られて吸血鬼 最終回

振られた思い 「けしからん!」 と、文句を言っているのは徳(とく)永(なが)栄(えい)一(いち)郎(ろう…

まんが試し読み

術式結晶は闇に歌う

帝都術式捜査録

無才のエリート✕天才術者、運命の出逢い!?

森 りん  装画:春野 薫久

術式結晶は闇に歌う 帝都術式捜査録 まんが試し読み

まんが試し読み

小鳥遊さんの京菓子暦

かわいい和菓子と甘くない謎

季節をめぐる、京都の和菓子ミステリー

杉元 晶子  装画:佳奈

小鳥遊さんの京菓子暦 かわいい和菓子と甘くない謎 まんが試し読み

まんが試し読み

悪女と聖女が手を組めば

悪女と聖女の異世界(代)シスターフッドコメディ‼

愁堂 れな  装画:ひだか なみ

悪女と聖女が手を組めば まんが試し読み

2025年10月1日 更新

小説

雨夜のタルト

水曜日は〈ベイベリー〉で 森のカフェでいただきます 番外編

高山 ちあき  装画:おとない ちあき

雨夜のタルト

 梅雨の真っただ中の、小雨のぱらつくある水曜日の午後。 森のカフェ〈ベイベリー〉のキッチンで、萌(め)衣(い)…

小説

振って降られて吸血鬼

赤川 次郎  装画:ひだか なみ

振って降られて吸血鬼 第五回

土砂崩れ 「こうはしていられません」 と、久く保ぼ刑事が言った。「一刻も早く検死をしなくては!」「でも、…

2025年9月18日 更新

小説

詫び針という拷問具

【コミカライズ開始記念!】冥府の花嫁 番外編

高山 ちあき  装画:縞

詫び針という拷問具 

 物見窓の向こうには、ごつごつした黒岩の小山がいくつも連なって見えた。 閻(えん)魔(ま)庁(ちょう)のある冥…

小説

居酒屋のんの 今夜のおすすめ

~手のひら小話~

新樫 樹  装画:ふろく

居酒屋のんの 今夜のおすすめ ~手のひら小話~

「あの……実はお願いがありまして」 いつもどおりに嶺(みね)と並んで飯を食って、和やかな時間を過ごしたあと。 …

小説

今生の別れじゃあるまいし

さよならにうってつけの日 エンディングプランナーの備忘録 番外編

森ノ薫  装画:せき やよい

今生の別れじゃあるまいし

 ママの倒れ方はギャグだった。店の床で大の字になって右手に酒瓶、左手にグラス。溢れ出したヘネシーは髪と赤いニッ…