廃墟の片隅で春の詩を歌え
王族による共同統治が行われる国イルバス。王女ベアトリスは王宮を離れ、辺境で工業生産に明け暮れていた。尊大な兄アルバートと狡猾な弟サミュエルに挟まれ、二人の対立を回避するために引きこもっていたのだ。だが周辺国の情勢が悪化し、ベアトリスは政治的決断を迫られる。彼女の手には、賢帝と名高い祖母から受け継いだとある「切り札」が握られていた……。
神童マノリト、お前は廃墟に座する常春の王
強くないから、僕は凪でいるしかないーー。
仲村 つばき
クローディア、お前は廃墟を彷徨う暗闇の王妃
彼はわたくしという暗闇に射しこんだ光だ。
仲村 つばき
王杖よ、星すら見えない廃墟で踊れ
たとえ星がすべて燃え尽きて、空に輝きが失われても。
仲村 つばき
廃墟の片隅で春の詩を歌え女王の戴冠
おそれずに、戦わなくては。
仲村 つばき
廃墟の片隅で春の詩を歌え王女の帰還
誰よりも王の資質を持ちながら、その才覚を奪われた王女がいた。
仲村 つばき
ベアトリス、お前は廃墟の鍵を持つ王女
私は嵐になる。この国を血で染めないために。
仲村 つばき