オレンジ文庫の創刊10周年を記念して、「魔法のある日常」というテーマで6名の作家陣に短編を書いていただく企画を開催!現実では味わえない経験や感情を体験させてくれる「小説」は、まるで「魔法」のよう。そんな魔法のある日常を、乙一、今野緒雪、桑原水菜、白川紺子、似鳥鶏、三浦しをん(五十音順)がそれぞれ描きます。
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第1弾
似鳥 鶏
『黙って最後に回る人』お人好しの従兄・秋留と暮らしている大学生の晃佑。ある日突然、シルシュエルと名乗る天使が二人の前に降臨し、秋留に「他人の災厄を苦痛として引き受ける魔法」を授けてしまう。お人好しであるがゆえに、魔法を発動しては苦しむ秋留。晃佑は、なんとか秋留を救えないかと奔走するのだが!?
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第2弾
乙一
『子羊たちの冒険』新山羊のダウジングはよく当たる。その噂を聞きつけたのか、羊はある日、ひとりの男子生徒に人探しを頼まれた。その内容は「自分を産んでくれた女性を探してほしい」というもの。振り子が示す方角――彼の母親のいる場所――を目指し、ふたりは短く不思議な旅を始める。
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第3弾
桑原水菜
『オフロサマ』この世の風呂にはすべからく守護神たる「フロガミ」がいる。創業90年の歴史を誇る萬年湯の「オフロサマ」も、経営者である阿比留一家の仕事ぶりや常連たちが湯を楽しむ様を人知れず見守っていた。ところが、ある日萬年湯を訪れた若い男には、人には見えない「オフロサマ」の姿が見えるようで……?