12歳となった白菊丸は、今日、寺へと入る。さる貴き方の落胤である白菊丸は、ゆくゆくは僧侶となるのだ。涙をこらえ出発すると、寺の近くまで来たところで山賊に襲われかかる。窮地を救ったのは、不思議な雰囲気を漂わせた勿径寺の和尚だった。寺の稚児たちは白菊丸に、勿径寺の宝蔵には古来より、力ある物の怪たちの骸が封じられていると言うのだが……?
書籍
呪いの請負人――その名は禍信居士!
著者 瀬川 貴次
装画 大西 実生子
大和の国・勿径寺。そこには物の怪が棲むという。