ノベル大賞

2021年ノベル大賞受賞者

泉サリ

2021年ノベル大賞受賞者一問一答泉サリ

Q.受賞したときの気持ちは?

嬉しかったです。そのとき手持ちのアイデアがゼロだったので、同時に焦りました。

Q.誰かに受賞の報告はしましたか?

小説を書いていることは、短編小説新人賞に入選するまでは誰にも話していませんでした。『林ちゃん』を発表後に読んでもらっていたので、今回も家族と、特に仲のいい友人数人に報告しました。友人たちには「わけわかんない」と言われました。普段は本当にバカみたいな内容の会話しかしていないので……。

Q.小説を書き始めたのは何歳のときですか?

13、4歳のときです。ハリウッド映画が大好きだったので、アメリカの高校生がプロムで死神に出会う話を書きました。恥ずかしくなって後でノートごと捨てました。

Q.文学賞やインターネットへの投稿歴を教えてください。

中学生のころから、短編の賞を中心に投稿していました。インターネットでの公開はしたことがありません。

Q.投稿生活中一番思い出に残っているエピソードはありますか。

始めのころは原稿用紙に手書きでした。パソコンを使わないという謎のこだわりがあり、屈強なペンだこができました。

Q.受賞作を書こうと思ったきっかけは?

クマリというネパールの生きた女神の動画をYouTubeで見たことです。タイトルは、文字の並びが面白いと思ってメモしていたものに意味を後付けしました。

Q.受賞作は、小説を書き始めてから何作目ですか。

書き始めてから40作目、投稿し始めてから30作目くらいだと思います。

Q.受賞作の執筆にはどのくらいの期間をかけましたか?

1ヵ月弱です。

Q.受賞作を書いていて一番苦労したことは何ですか?

新興宗教の儀式や規則です。経験のないことを想像だけで書くのは難しいです。

Q.執筆スタイルを教えてください。

朝型です。書き始めたら終わりまで一気に書きます。

Q.執筆環境を教えてください。

自分の部屋で、家族と共用のパソコンを使っています。すぐフリーズするので、いつ壊れるかとヒヤヒヤしています。

Q.月に何冊くらい本を読みますか?

0~30冊です。ほとんどが小説で、ジャンルは何でも読みます。

Q.どんな時にアイデアが浮かびやすいですか?

本を読んだり、面白い話を聞いたりした後です。好きなキャラや新しく知ったことをくっつけて、自分なりのアイデアを出そうとしています。

Q.煮詰まった時の気分転換や、執筆のモチベーションを保つコツはありますか?

マニキュアを塗ると手先が無敵になった気がして頑張れます。ラメ入りのピンクが好きです。

Q.キャラ、ストーリー、シーンなど、どの要素から物語を作りますか。

作品によります。短編賞の『林ちゃん』はキャラから、ノベルの『シラナイカナコ』はストーリーから、受賞第一作の『ちと活発チャプター』はシーンからです。

Q.設定を考えてから書くタイプ? 書きながら設定を考えるタイプ?

書きながら考えるタイプでしたが、最近は割としっかり設定を固めてから書いています。

Q.小説を書くときにこだわっていることはありますか?

自分でも最近気づいたのですが、キャラの名前に意味を持たせることが多いです。

Q.自分はこれに「萌える」という設定や人物像があれば教えてください。

起承転結ではなく、起転転転転転転結!な話に萌えます。下り坂の途中で急にものすごい派手にコケて、ズダダダダうわあああって大怪我しながら白目剥いて高速で転げ落ちて、偶然ふもとでズゥン……と綺麗に着地した、みたいな。

Q.大好きな作家を三人教えてください。

窪美澄さん、西加奈子さん、万城目学さんです。

Q.大好きな小説を三つ教えてください。

窪美澄さん『やめるときも、すこやかなるときも』、彩瀬まるさん『やがて海へと届く』、アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』です。

Q.小説以外で大好きな作品を三つ教えてください。

漫画『アシガール』、『DEATH NOTE』、劇団四季のミュージカル『アラジン』です。

Q.今後の目標・抱負は?

今まで以上に、書く前にしっかり下調べをしようと思います。手を抜くと後で自分の首を絞めることになると気づきました。