- ジルダ
- 氷のような美貌と知性を持つ、アデールの長姉。フロスバ家の庇護下で潜伏していたが、王政復古ののち新イルバス女王として即位する。
- アデール
- 故イルバス国王の三女。革命で王宮を追われ、八歳の時に辺境の村リルベクの廃墟の塔に幽閉された。複雑な境遇のせいで、目立たぬよう凡庸にふるまう癖がついている。
- グレン
- アデールの従兄。幼い頃は乱暴で、アデールに意地悪していたが、長じてからは王家に忠実な武人となる。王政復古の立役者としてアデールと政略結婚することに。
- エタン
- フロスバ家公爵。亡命時代のジルダを庇護し、アデールを廃墟の塔から救い出すなど王家のために暗躍するが、その言動からは真意がうかがえない。
- ガブリエラ
- フロスバ家のメイド。後にアデール付きとなる。流行や恋の話題が大好き。
- ミリアム
- 奔放な性格の、アデールの次姉。亡命先で平民階級のレナートと秘密結婚したため、ジルダからは認められていない。
- アンナ
- アデールが廃墟の塔にいた頃から付き従う忠実な侍女。
- レナート
- ミリアムの夫。カスティア国の大商人の子息。
- eコバルトオリジナル版を
加筆修正 - 「王女の帰還」には
書き下ろし短編を収録 - 藤ヶ咲による
書き下ろし新装画
オレンジ文庫版は本作を加筆修正の上文庫化したものであり、お話の内容は同じです。
eコバルト版第3巻に収録の短編『真夜中の庭園』『肖像画の婚約者』は、オレンジ文庫版、およびオレンジ文庫電子版には収録されません。
お買い求めの際はご注意ください。
オレンジ文庫で辿る
イルバス・クロニクル!
各巻のエピソードは独立しているので、どこから読んでもお楽しみ頂けます。
-
激動の時代に翻弄されながらも
祖国のため生きることを選んだ王女アデールの物語 -
時代は下り、アデールの三人の孫たちが
『共同統治』という独自の形式で治めるイルバス。
女王のひとりにして中間子のベアトリスは、
実のきょうだい達との駆け引きを迫られるー -
ベアトリスの弟王子・サミュエルと、
兄に成り替わり王宮へ出仕することになった伯爵令嬢・エスメ。
ふたりの少年少女が出会うとき、
王国に新たな風がもたらされる! -
いよいよお妃捜しに乗り出した、ベアトリスの兄王・アルバート。
舞踏会が開かれる華やかな王宮から遠く離れ、
山深い修道院に暮らす異眼のシスター・クローディア。
療養に訪れた王太后のお世話係に任命された彼女の運命は……? -
新米王杖のエスメは、修業のため、ベアトリス女王を訪ねて
常春の国ニカヤへ。幼き王の心を溶かすべく奮闘するが…。
一方、暗躍する〈赤の王冠〉の魔の手がそれぞれの王に迫る!
廃墟シリーズ、緊迫の新章開幕!
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激動の時代に翻弄されながらも
祖国のため生きることを選んだ王女アデールの物語 -
時代は下り、アデールの三人の孫たちが
『共同統治』という独自の形式で治めるイルバス。
女王のひとりにして中間子のベアトリスは、
実のきょうだい達との駆け引きを迫られるー -
ベアトリスの弟王子・サミュエルと、兄に成り替わり王宮へ出仕することになった伯爵令嬢・エスメ。
ふたりの少年少女が出会うとき、
王国に新たな風がもたらされる! -
いよいよお妃捜しに乗り出した、ベアトリスの兄王・アルバート。
舞踏会が開かれる華やかな王宮から遠く離れ、山深い修道院に暮らす異眼のシスター・クローディア。
療養に訪れた王太后のお世話係に任命された彼女の運命は……? -
新米王杖のエスメは、修業のため、ベアトリス女王を訪ねて常春の国ニカヤへ。幼き王の心を溶かすべく奮闘するが…。
一方、暗躍する〈赤の王冠〉の魔の手がそれぞれの王に迫る!
廃墟シリーズ、緊迫の新章開幕!
- ディアナ
- 《白鳥座》の役者。グレンスター公から極秘の依頼を受け、「アレクシア王女」の身代わりを務めることになる。
ディアナの顔立ち、体つきは、アレクシアとそっくりであるらしい。
- アレクシア
- ガーランド王国の王女。17歳。
国王エルドレッドと、王妃メリルローズの娘。
大国ローレンシアの王太子との政略結婚が決まっている。
その婚姻によって、アレクシアはガーランドの王位継承権を放棄することになる。
- アシュレイ
- グレンスター公の嫡男。
アレクシアにとっては従兄になる。アレクシアの身代わりとなったディアナの世話役をしている。
- ガイウス
- アレクシアの護衛官。25歳。
名門アンドルーズ侯爵家の嫡男で、かつての戦役でめざましい武勲をあげた軍人。
アレクシアに君主としての資質をみている。
- グレンスター公
- グレンスター公爵家当主。
今は亡き王妃メリルローズの弟で、アレクシアの叔父にあたる。
- エリアス
- アレクシアの異母弟。
産褥で母を亡くしており、
姉のアレクシアを誰よりも慕っている。
聡明ではあるが、病がち。
男子優先長子相続のため、王太子としての教育を受けている。
- ウィラード
- アレクシアの異母兄。
庶子ではあるが、宮廷で養育された。
非常に有能で、父王の右腕として政務を助けているが、王位継承権はない。
- 幼き日の冬の出会い
- アレクシアは6年前、お忍びで出かけた市街で、信じがたい出会いを果たす。冷えきった聖堂に横たわっていたのは、煤に汚れ、襤褸切れをまとった痩せこけた少女。だが、ぱちりと目を開けた少女とアレクシアは、お互いを見つめ合い、驚愕した。ふたりはまるで、生き写しのように似ていたのだ――。少女は、自分は明日にでも“花”を売ることになるだろうと言う。彼女の境遇を知ったアレクシアは自分の着ていた上等な外套をさしだし、伝える。これをお金に換えて、「逃げろ」と。
- 王女アレクシアの政略結婚
- 17歳になったアレクシアは、大国ローレンシアの王太子に嫁ぐため、海を渡っていた。ふたりの婚約は、両国の同盟を強化するための契約であり、王太子が良き夫とはならないこともわかっていた。だが、ローレンシアに嫁ぐこの身には、祖国の未来がかかっている――そう覚悟を決めていた。ガーランドを出発して三日目の夜、アレクシアたちを乗せた旗艦は正体不明の賊に襲われる。ガイウスが必死で応戦するものの、船首まで追い詰められたアレクシアは、そのまま夜の海に投げ出された――。
- もう一人の少女
- 王女アレクシアの随行団には、秘密裏にひとりの少女が加わっていた。《白鳥座》の役者をしている彼女は、グレンスター公からの極秘の依頼で、万が一の際に「王女アレクシア」の身代わりを務めることになっているのだ。しかしそれは、ローレンシアまでの長旅でアレクシアが体調を崩すなどした際、一時的に代役をするだけの話。だが、グレンスター公は謎の襲撃でアレクシアが生死不明となったことを知った上で、少女を代役として立て続けると言い出して……!?
- 人買いの男たち
- アレクシアは見知らぬ浜辺で目を覚ました。同時に、かたわらで気を失っているガイウスが、背中に深い太刀傷を負っていることに気づく。ガイウスは賊に切りつけられてなお、アレクシアを救うため、自らも海に飛び込んだのだ。このままでは彼の命が危ういと感じたアレクシアは、助けを呼ぶためにひとりその場を離れる。幸運にも、一隻の帆船が停泊しているのを発見し、身分を隠しつつ、懸命に男たちに協力をあおぐ――が、彼らが連れている若い娘たちの尋常でない怯えに気づいたときには、アレクシアもすでにとらわれていた。男たちは娘をさらっては娼館に売りつける、人買いだったのだ……。