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果実短編集

エリちゃんの住む208号室は、私の住む210号室から一部屋挟んだ隣にある。

小学生の頃、不器用な私を庇ってくれた同級生のエリちゃんが、大学生になったいま、同じアパートに住んでいる。奇跡的な再会に気持ちを昂ぶらせながらも、内気な性格の私は、彼女に話しかけられないでいる。そんなある日、エリちゃんが夏風邪で寝込んでいることに気付いた私は、お見舞いとして、実家の祖父から送られてくる水蜜桃を食べてもらいたいと思い立って――。
瑞々しい果実が、人の心を静かに潤していく。第225回短編小説新人賞入選作(doi名義)を改稿した第一話から連なる、連作短編集です。

著者プロフィール

透野 すい(とうのすい)

『水蜜桃の朝』(doi名義)で第225回短編小説新人賞入選、2023年度年間最優秀賞を受賞。『ピクニックはおしまい』でデビュー。

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透野 すい