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書籍

憎しみは、次の憎しみを招ばずにいられないのか

氷室冴子セレクション 

銀の海 金の大地 3

  • 700円+税
  • 2025年3月18日発売

真秀はみたこともない場所にいた。
あちこちに火の手があがり、空を焦がす炎が、くろぐろと風にたなびいてゆく。

佐保彦から「滅びの子」と詰られ昏倒した真秀は、若き日の日子坐がなした恐るべき陰謀、そして日子坐と母・御影の出会いを夢に見る。目覚めた真秀は佐保彦のもとへ走り「あたしたちをそっとしておいて」と訴えるが、かえって激しい憎悪を浴びせられる。果てしない憎しみの連鎖。なのにどうして、あたしは彼を憎みきれない――!? 真秀は己の思いがけない心に気づいて…。

シリーズ既刊情報

銀の海 金の大地シリーズ

舞台は古代日本――湖の国・淡海。14歳の少女・真秀(まほ)は、複雑な生い立ちのため人々から疎外されながらも、病で寝たきりの母・御影(みかげ)と、目も耳も不自由だが不思議な霊力をもつ兄・真澄(ますみ)とともに気丈に生きていた。ある日、真秀は母の病にきく薬をもらうため丹波行きの船に乗るのだが。「古事記」を愛した氷室冴子が手加減なしで書いた、超弩級のエンターテインメント小説!

著者プロフィール

氷室 冴子(ひむろさえこ)

'57年北海道岩見沢市生れ。'77年『さようならアルルカン』で第10回小説ジュニア青春小説新人賞佳作を受賞、作家デビュー。80年代から90年代にかけコバルト文庫の看板作家として活躍、一時代を築き上げる。代表作に『なんて素敵にジャパネスク』、『クララ白書』、『雑居時代』、『なぎさボーイ』、『海がきこえる』など多数。2008年死去。

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氷室 冴子