対談ゲスト
RIKU
(THE RAMPAGE)
樹島千草
小説版『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』
岩谷翔吾さんの連載、第4回は鼎談をお届けします。
お相手は映画『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』の主演の一人であるRIKUさんと、映画のノベライズを執筆された樹島千草さんです。
悩みや思いを抱え、”救い”を求める3人の女性たち。彼女らが頼ったのは、女性を癒やし、世界を救う「MY KNIGHT」のデートセラピスト──刹那、イチヤ、刻だった。デートセラピストを演じるのはTHE RAMPAGEのボーカル3人(川村壱馬、RIKU、吉野北人)。映画の撮影秘話が詰まった本編は『青春と読書』12月号をチェック! ここでは、収録しきれなかった映画の裏話の他、樹島さんのHiGH&LOW愛やRIKUさんの体験した不思議なエピソードなど、読み応え満載のアフタートークをお届けします。
- CONTENTS
RIKU meets イチヤ。
イチヤという人物を、
RIKUはどうやって摑んだのか?
岩谷ただいま発売中の読書情報誌『青春と読書』12月号に掲載されている、作家の樹島千草さん、THE RAMPAGEのボーカルRIKUさんと、パフォーマーである僕・岩谷翔吾の鼎談。12/1に公開される映画『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』でRIKUさんが3人の主人公の一人・イチヤを演じ、樹島さんが集英社文庫から発売中の映画ノベライズを執筆されたご縁から持ち上がった企画です。ここからは、誌面に収録しきれなかったフリートークを、ざっくばらんな雰囲気でお届けしたいと思います!
RIKUより裏話的な内容になりそうですね(笑)
樹島引き続きよろしくお願いします!
岩谷対談本編でも少しお話ししましたが、『MY (K)NIGHT』という作品は、恋愛がテーマに見えるけれど、付随する要素もいろいろありますよね。RIKUさん演じるイチヤは、「夢と向き合う」ことがテーマでしたし。
樹島そもそも、企画当初、イチヤたち三人は全然違うキャラだったそうですね。
RIKUえっ、それは知らなかったです。
樹島イチヤは「俺、嘘は嫌いだから、お客にだって駄目なことは駄目って言います」みたいな尖ったキャラで、刻は「俺は顔面がいいから」って人生イージーモードに乗っちゃってるキャラ。刹那は、夜の世界のてっぺんを目指す上昇志向キャラだったそうです。そこへ、中川(龍太郎)監督がご自身の解釈を入れて練り直して、今のイチヤ、刻、刹那になったんだと、打合せの際に伺いました。
RIKUそのキャラだったら、全然違う演技になってたでしょうね(笑)
樹島挫折や夢から逃げた罪悪感はなさそうですよね。
岩谷でも、イチヤはあの挫折を引きずってるところが人間臭くていいと思うんです。
樹島そういう面を演じる上で、どうやって役作りをされたんですか?
RIKU僕、音楽を目指す前はサッカー選手を夢見ていたんですが、諦めた経験があるんですよ。その時、子どもながらに「この先どうすれば」「自分は将来何をしたら」とぐるぐる悩んだ時期があって、目的が見つからないから何をやるにも中途半端になるっていう経験をした。だから、写真家という夢を諦めた劣等感とか、結果を出し始めた元仲間への嫉妬を抱えたイチヤの気持ちは分かるんです。僕も、クラブチームで自分より巧い奴に嫉妬したことがあるから。だから、イチヤの気持ちを理解して演じるという意味では、あまり苦労がなかったです。
樹島なるほど、そんなご経験が……。中川監督からは、物語やテーマについての説明みたいなものはあったんですか?
RIKUそういうのは全然なかったですね。だから「イチヤ」という人物を理解するところからスタートでした。本読みやリハーサルの時に、僕と中川監督で、「俺はこの時のイチヤはこう考えていたと思います」「自分はこうだと思うんだよね」って、それぞれの考える「イチヤ」像をシェアして理解を深め、そこから「ネオイチヤ」を作っていくみたいな……。だから、現場でどんどん変化があって。『青春と読書』での対談で樹島さんが挙げてくださったイチヤとミユポ(miyupo)のボクシングシーンも、もともとやる予定じゃなかったんですよ。
樹島えっ? そうだったんですか。
RIKUはい。僕は常にトレーニングしていますけれど、(ミユポ役の)夏子さんもキックボクシングの経験があるらしくて。で、「ボクシングなら、イチヤの感情の動きを表現しやすいのでは?」となって、試しにやってみてよ、と言われて撮ったのがあの映像なんです。