これまでの受賞作品

第75回

応募テーマ
タイトル

『江戸川学園怪談部』

あらすじ

オカルト好きの女子高生・千早は、そばにいるだけで次々と怪現象に巻き込まれる霊媒体質の沼淵先生が大好き。ホラー映画オタクの結衣、UFOマニアの涼子と三人で、怪異から先生を守るためという名目で設立した『怪談部』の顧問に沼淵先生を任命し、怖がる先生を引きずり回して怪奇現象を楽しんでいる。ところが、ある夜の合宿中校舎で偶然出くわした女性は、幽霊かと思いきや先生の婚約者だと名乗り、先生を危ない目に遭わせる千早たちを敵対視する。しかも彼女は翌日の朝礼で新理事長として現れ、「怪談部廃止」を宣言して…⁉

今回の講評

今回は「学園もの」「怪談部」という要素をフックとして構想を練った作品が集まりましたが、ホラー要素を織り込みつつも、ややコメディよりに振った作品が中心となりました。また、あらすじから雰囲気を読み取って、夜もしくは暗い背景で描かれた作品が大半でしたが、気になったのは「陰影の付け方」です。陰は光と反対側に落ちるため、光源の位置により陰の付き方はまったく変わりますし、光源を考えずに漫然と陰影をつけていると、ちぐはぐな仕上がりになってしまい、「絵はうまいのに、全体の雰囲気がなんとなく腑に落ちない」と印象を与えることに。特にモノクロイラストでは、陰影の付け方が作品の印象を大きく左右します。今回は、陰影の付け方が特に作品の完成度を左右しやすいテーマでしたが、どんなイラストを描くときも、ぜひ光源を意識した陰影をつけることを意識するとよいでしょう。

大賞

該当作なし

入選
muさん(埼玉県)

今回入選したmuさんの作品は、文庫カバーを想定したカラーイラストの色使いに独創性がありました。赤、青、黄が大胆に配置されているので、サムネイルサイズで見てもパッと目を引く効果を生んでいます。画面の左から右へと見る人の視線を自然に誘導する構図もよかったです。お題の作品は、登場人物が比較的多いのですが、スナップを散りばめたボードの形で、部活の雰囲気からキャラクターの関係性までを自然に伝えるモノクロイラストも素敵でした。

佳作 あと一息

    P-POCOさん
    (神奈川県)

    カラー、モノクロとも、複数の人間を群像として描く時の一人一人のポーズや表情、配置に非常にセンスを感じました。カラーについてはフレームのように配置された背景モチーフも雰囲気作りに一役買っていますが、色調がやや単調で、見る人がどこを見ればいいか迷うおそれがあります。もう少し視線誘導が意識できるとよいでしょう。

    もりのみのりさん
    (石川県)

    メインキャラの千早と沼渕先生にスポットが当たっており、「この人物がメインキャラだ」と直感的に理解できる構図になっているのがよかったです。沼渕先生が「真面目な教師」イメージの黒髪キャラでなく、銀髪くせ毛でひと味違う造形になっているのも面白い。モノクロは陰影の付け方をもう少し意識しすると完成度が上がりそう。

佳作

    あおいさん
    (千葉県)

    カラーは氷(?)に映る影まで利用した構図、光と陰の表現も含めてとても美しいです。背景の描き込みも完成度を高めています。モノクロでは、女性キャラの顔が一部似てしまっているのが気になります。意図的にシンプルな描写をしていることは伝わりますので、キャラの描き分けをもう少し練習しましょう。

    茅野なちさん
    (千葉県)

    女の子のキャラクターが3人ともキュート! 千早、結衣、涼子を表情や髪型だけでなく、小物使いも駆使ししてしっかり描き分けられているのがよいです。オバケやモノクロの2頭身キャラもとってもかわいいのですが、沼渕先生の印象がやや薄く、理事長と顔が似ているので、男性キャラを練習してみては。

    栃尾さん
    (東京都)

    キャラクターの表情の豊かさが非常に魅力的。モノクロは構図が整理しきれていない点は気になりますが、小物のデザインにセンスがあり、特に千早の髪留めのパーツを組み合わせると「怪」の字になるのが独創的。スマホカメラの画面風に描いたカラーの構図などにもセンスが感じられます。

    まいけさん
    (東京都)

    カラー、モノクロとも構図が非常に秀逸。動きがあり、かつ何を見せたいのかもしっかり考えられています。千早以外の2人の部員はサブキャラとして描かれていますが、小さくてもしっかり個性が伝わるよう表情づけとポーズが工夫されています。千早の髪飾りやスニーカー、オバケなどのデザインも◎。

    水野水さん
    (東京都)

    カラーはあおり気味に描かれた構図や彩度をおさえた色使いで、可愛いキャラを描きつつもどこか不穏な雰囲気が表現できているのがよかったです。モノクロは、人物を大きく描く構図に挑戦していますが、背景要素がまったくなく、陰影の表現や小物の描写もないため手抜きに見えてしまうのでご注意を。

    餃子サイダー。さん
    (神奈川県)

    モノクロ、カラーとも他とは一線を画する独特の雰囲気がある作品でした。この雰囲気は武器になります。意図的な構図であるとは思うのですが、すべてのキャラが横向きに描かれていて、カラーとモノクロが似たような印象になっている点は少し気になりました。次回は、カラーとモノクロで構図を変えてみるなど工夫してみては。

    稲猫ネムさん
    (奈良県)

    複数のシーンに盛り込みつつ、沼渕先生をイケメンなだけではないキャラとして表現したモノクロがとてもいいです。式神っぽいデザインの千早の髪飾りもかわいい。カラーは先生と部員3人を均等に描こうとした結果、やや構図にまとまりがなくなっています。何を一番に見せたいかを意識しましょう。

    WEST POTATOさん
    (岡山県)

    顧問の沼渕先生をあえて冴えないおじさんキャラに描いた独創性がお見事! 美女の理事長との関係が知りたくなります。怪談部の女子3人を、ビジュアルのみならずポーズや小物などできっちり描き分けられているのもとてもよかったです。描線はあと一息ブラッシュアップを意識して。

    うらべさん
    (鳥取県)

    女性キャラを描く技術が高いうらべさん。今回も、学生らしく素朴さの中にもかわいさが表現されているのがよかったです。沼渕先生の体格に違和感があるので、再度デッサンの確認を。また、モノクロはグレーの濃淡で着彩するのではなく、コミック調にトーンで仕上げられるとよいでしょう。

    長門さわこさん
    (福岡県)

    夜の校舎内を描いたカラーは、魚眼レンズで撮影したようなゆがみと、鏡の中に謎の女性が映り込むなどの工夫がこらされ雰囲気が醸し出されていました。モノクロは、怪談部の女子3人の描き分けがやや甘いので、パッと見て分かる違いをつけられるといいでしょう。

    tsukiさん
    (長崎県)

    トーンできっちり仕上げたモノクロの頑張りが光ります。光源を意識するとより完成度が高まりそう。カラーは指で輪を作るポーズをモチーフにしているためもありますが、ややのっぺりした印象なのがもったいない。小物や背景などでもう少し表現出来る余地があるので構図を再考してみて。

もう一歩の方

雨瀬(北海道)/なゆたろ(岩手県)/meii(千葉県)/愛野パンチ(埼玉県)/香澄瑠衣(埼玉県)/波多野いわし(埼玉県)/花咲心月花(埼玉県)/碧倉由(東京都)/志ゆ木(神奈川県)/田中舞(静岡県)/kero(愛知県)/あまとよどや(岐阜県)/エヌヲーエム(三重県)/あずきあんこ(大阪府)/高橋えむ太(大阪府)/七草羊(奈良県)/馨月あき(兵庫県)/チュン春(兵庫県)/酒瓜(鳥取県)/イチミシユ(福岡県)