最新選考結果

第79回

応募テーマ
タイトル

『ひだまりカフェにようこそ』

あらすじ

「ひだまりカフェ」は、あたたかいご飯と紅茶を提供してくれるお店。路地の奥にあり、疲れた人がたどりつくと言われている。看板猫のでっかい三毛猫と、ぱりっとした襟つきシャツにサロンエプロンをしたイケメン店長(男性・20代前半)がやっている。仕事に疲れたアラサー女子や、恋にやぶれた20歳の女子大学生、親友とケンカしてしまった高校生など、皆を癒してくれる。店長の得意料理はオムライスとミルクたっぷりのチャイ。カランコロン…。さて、今日のお客さんは――!?

今回の講評

第79回イラスト大賞のテーマは、お店もの。イケメン店長と看板猫がいるカフェが、様々な女性客が悩みや疲れを癒やしてくれる――キャッチーな要素を散りばめたテーマで、店長や猫のビジュアル、女性客の属性など様々なヒントとともに出題されました。イケメン店長については、どの作品にも趣向を凝らしたイケメンキャラが描かれていました。また、看板猫もほぼ全員が描いていましたが、動物を描くというのは案外難しいもの。特に猫は体が柔らかく思いがけない動作をするため、イメージで描いてしまうと「本物の猫はこんなポーズをしないのでは?」と、見る人が不自然に感じてしまいます。特に生き物を描写する時は、実物を見る、資料に当たるなど下調べをしっかり行いましょう。また、猫がキッチンに入る描写には違和感を憶える人がいます。フィクションではありますが、そういった点にも配慮ができるとよいでしょう。

大賞

該当作なし

入選
八橙さん(兵庫県)

線の細いいわゆる「イケメン」というより、頼りがいのあるハンサムタイプの店長、そしてブサカワな猫にリアリティがあり、こういうカフェ、どこかにありそう! と想像させる力があるカラーイラストでした。木漏れ日の表現も綺麗です。前回の応募作品にも共通していえることですが、人物と背景が一体となって雰囲気を生み出せているのは大きな強み。モノクロで女性客のバリエーションを描きつつ、店長をメインキャラとしてしっかり押し出す構図もよかったです。

佳作 あと一息

    栃尾さん
    (東京都)

    モノクロの完成度が抜群で、このまま漫画作品として読んでみたくなる魅力に溢れていました。女の子たちの表情もかわいいです。カラーは、あえて人物を描かない意図を感じましたが、ライト文芸ノベルでカバーに人が入らないのはやはり苦しい。カラーで描かれた人物も見たいので、奇をてらいすぎず何らかの形で人を描くとよかったでしょう。

    HUMPDUMPさん
    (愛知県)

    あたたかみのある絵柄で、店長の視線が優しいですね。現実の猫もカラーイラストのようなポーズをしますが、イラストでは関節がどうなっているのか分かりにくくやや不自然に感じられるので、猫のポーズをリアルに描くならデッサンに注意してください。モノクロは、背景や客を沈ませ店長と猫、看板メニューのオムライスが目を惹く構図が良かったです。

    香さん
    (福岡県)

    モノクロイラストの女の子の表情が、抜群にかわいく描けていて、店長とお客のよい距離感が伝わります。カラーは、ほぼ茶色一色でまとめられていますが、背景や小物類まできっちり描き込み、「ひだまりカフェ」の世界観を作ろうとしているところが好印象です。パースや光源の位置を考えて描くと、さらに完成度が高まるでしょう。猫のデッサンももう一息。

佳作

    未定さん
    (北海道)

    いかにも話を聞いてくれそうな優しい店長で、ひだまりカフェのお店をきっちり設定して描いているのもよかったです。モノクロはカップに入った女子たちがかわいい。カラーは要素が多くやや構図が散漫なのでもう少し店長が目立つように描けるとよかったかも。

    朝さん
    (群馬県)

    カラーは店長、オムライス、猫と要素をストレートに描きつつ、黄色を使ってハッピーな雰囲気にまとめられていていいですね。オムライスに立つ猫の旗もかわいい。モノクロは構図がやや単調なので視線誘導に少しだけ気を付けて。ドアベルを使った演出はよかったです。

    青戸水色さん
    (東京都)

    飲食店ものの魅力は美味しそうな食べ物、というツボをきっちり押さえ、カラーもモノクロも料理と飲み物がとってもおいしそう。カラーは窓から入る光を意識した陰影の描写が美しいので、モノクロでも同様に光源を意識した描写ができるとさらによくなりそうです。

    もふにさん
    (東京都)

    やわらかな描線と色使いでほっこりカフェものに合いそうなカラーイラストが描けています。設定から膨らませてイケメンキャラをもう一人追加したのはいいアイデアですね。カラーの背景にカフェ感がやや薄いので、もう少し小物や料理などで演出するとよいのでは。

    しゆぎミオさん
    (神奈川県)

    店長が出てこないカラー、トーンを使わずすべて描線で処理したモノクロと、佳作以上に入った作品の中ではもっとも個性が光っていました。カラーの背景がとても美しいのですが、町並みがやや海外っぽいので、テーマをどう解釈したのかイメージが気になります。

    ナガシマさん
    (神奈川県)

    SNSへのポスト画面を模したモノクロ構図、いかにも現実にありそうな雰囲気になっていてひらめきが感じられます。カラーは猫の毛並みや小物まで丁寧に描かれていました。カラーは、人物を斜め上から見下ろした時の体のデッサンにもう少しだけ注意してみてください。

    忠嘉都五郎八さん
    (大阪府)

    猫の表情はコミカルなのに、ポーズが絶妙にリアル。カラーで店長の肩にのっているところも、猫飼いさんは「あるある」と頷けるでしょう。店長自身も目元がちょっと猫っぽいイケメンになっているのがユニーク。カラー、モノクロとも描線が美しい点も好印象でした。

    能勢ナツキさん
    (愛媛県)

    店長の表情が優しく、猫の表情もかわいい。窓から覗く緑もあいまって、明るく爽やかな雰囲気を生み出せています。身につけているエプロンが固まっているように見えるので、布を身につけたときのシワの入り方など意識し、もう少しリアルに描くとよいでしょう。

もう一歩の方々

榊原またぎさん(千葉県)/がぶちさん(東京都)/川野さん(東京都)/ないしさん(東京都)/ぺぺ川さん(神奈川県)/田中彩恵さん(滋賀県)/じょりさん(京都府)/みかささん(京都府)/あずきあんこさん(大阪府)/羽緒野メメさん(大阪府)/ツクシミヲさん(大阪府)/ナガラヨリさん(岡山県)/有キさん(福岡県)/ゆのみさん(福岡県)