これまでの受賞作品

第65回

今回の講評

最近の投稿作品では、画材を問わず細部まで描きこまれたイラストが増えています。細かいところにも気を配り丁寧に仕上げるのは、とてもすばらしいことですが、それだけでは評価につながらないことも。高評価を受けた作品は、縮小サイズのサムネイルを見たときにパッと見る側の目をひきつけるポイントが作られていて、メリハリがあります。これは、プロを目指す方にぜひ意識してほしい大切なポイント。下絵、ペン入れ、着彩の各ステップで少し視点を引き、イラスト全体のバランスを見る意識をもつといいでしょう。

大賞

該当作なし

入選
虹吟さん(東京都)

カラー、モノクロとも完成度がそろっていて、絵柄に華があります。2つの作品で、まったく違うタイプのキャラクターをしっかり描き分けているところに、人物を描く力量を感じました。細かいところですが、キャラクターの髪や衣装などの柔らかさ、楽器などの小物をおろそかにせず、細部まで正確に描いている点も評価されました。カラーは、王道の少女小説的なイラストを狙って描いていると思われますが、キャラにやや既視感があるのがもったいない。虹吟さんの個性を打ち出したカラーイラストも描いてみてください。

佳作 あと一息

    すどうみつきさん
    (宮城県)

    人物の表情がとても印象的。キャラのイメージを決定づける「瞳の描き方」で、自分らしさが出せているのがいいですね。個性的な絵柄では、キャラの描きわけがやや弱くなる傾向がありますが、そこもきっちりクリアしています。デッサン力も高く、モノクロの女の子の健康的な体のラインはとっても魅力的。描線は滑らかで描きなれた感がありますが、着彩、とくに背景にやっつけ感が出ているのは要注意です。

    小野少年さん
    (東京都)

    多くの女性読者のツボに入るであろうイケメンキャラが描けています。また見る側に「このキャラクターはこんな人かな?」と想像させてくれる微妙な表情づけも上手。男の子が得意な描き手さんですが、男子だけを描くのではなく、モノクロではしっかり女性を描く画力をアピールできているのもGood。体のパーツの描写をあと一息がんばってください。ステップアップに期待します。

佳作

    大豆堂さん
    (北海道)

    自分の絵柄をしっかり持っている大豆堂さん。キャラクターだけでなく、画風全体に個性を出すのに成功していて、今回の作品では、美しくデフォルメされた花や木々の描き方が目を引きます。モノクロに比べると、カラーはやや色と線のメリハリに欠けるところがあるので、注意してください。

    風ことらさん
    (群馬県)

    キャラクターの表情がイキイキとしていて素敵で、カラーのドラゴンも可愛い。2つの作品で、幅広い年齢のキャラを自然に描けているのもよいですね。甲冑や衣装などは細かい部分まで上手なのですが、背景の描写がやや平面的。岩や布など材質による質感の違いを描きわける練習をしてみて。

    吉貴さん
    (千葉県)

    全体的に丁寧。モノクロはトーン使いでしっかりコミックイラストに仕上げられているのがよかったです。キャラクター、特に女の子の顔が同じになっているので、2つの作品で違いを出してみてください。また、人体のバランスがやや気になります。もう少しデッサンを意識するとよいでしょう。

    ないしさん
    (東京都)

    デジタルで「塗り」をきっちり表現できており、スキルの高さを感じます。ただ、描線についてはもう一歩スキルアップを期待したい。これは個性と紙一重ですが、とくに女の子の表情がやや中途半端な印象です。優しさ、凛々しさ、強さ、弱さ…など、人物の内面を伝える表情とパーツの描写を意識してみては。

    芦屋マキさん
    (神奈川県)

    水彩画が好きな描き手さんのようですが、イラスト風かアニメ風か、カラーの仕上げにもう一歩迷いがある印象。色使いなどでインパクトは出せているので、細部の仕上げをもう少し丁寧にと心がけてください。モノクロは、1枚のイラストにストーリーやキャラの関係まで表現できていてGoodです。

    柚麻あんなさん
    (静岡県)

    柚麻さんの作品は毎回手描きで、小物や衣装の描写が驚くほど緻密。衣装の柄が体の動きにそってゆがむところまで描いているのに驚かされます。ただし、あまりに緻密すぎて、キャラの表情よりも細部に目が行ってしまうのがウイークポイント。もう少し全体のメリハリを意識できるとよいでしょう。

    絢原さん
    (愛知県)

    2作品とも、女の子の表情が魅力的。描線が整理されていて、線の数は少なくても過不足ない印象に仕上がっています。その分、塗りの部分がやや物足りないので、表現にもう一工夫を。一方で、木々や鉱物など、自然物の質感を表現できているのは大きな強みです。ぜひ今後もがんばってください。

    牧乃花太さん
    (愛知県)

    カラーの美男美女は、少女小説的なイラストとして王道。絵柄が構図にしっかりマッチしています。描線が整理されていて、女の子の髪や瞳の表現も上達している印象。そのぶん人物の上半身だけ描いたモノクロは、あっさりしすぎでもったいない。ぜひ、完成度を揃えることを意識してください。

    DNAさん
    (滋賀県)

    東洋風と西洋風、テイストを変えた作品作りに向上心があらわれています。キャラクターは細部まで丁寧に描かれているのですが、衣装や髪の曲線に、あと一歩自然さが欲しいところ。雑誌の写真やプロのイラストを観察し、イラスト表現としてのリアルな線の描き方を学んでみるといいかも。

    馨月さん
    (兵庫県)

    モノクロイラストの線の美しさが際立っています。同一方向の細い線を何重にも重ねたベタではない階調表現に、かなりのスキルを感じました。一転してカラーは、線ではなく塗りの表現が中心になっていてもったいない。カラーイラストでも、ぜひ馨月さんならではの描線の美しさをいかした作品を描いてみては。

    コロボックルさん
    (広島県)

    今回も、ブレのないファンタジックな世界観を描いてくれたコロボックルさん。ほかにない個性を確立できている点は評価できますが、やはりカメラを引いた構図で、人物を小さく描く作品に偏っているのが気になります。人物の大小をつけて画面の奥行きを出すなど、作風に固執しない絵作りをおすすめします。

    リュウさん
    (福岡県)

    今回も、女の子の純粋な表情が素敵な作品です。男性キャラが、テンプレなイケメンキャラでないところもかえって魅力的。ただ、今回はカラー、モノクロとも背景や衣装の描きこみ不足が目立ちます。細部の仕上げがイラストの完成度を左右するので、最後まで気を抜かず丁寧に仕上げることを意識して。

もう一歩の方

一乃衣潤(北海道)/シンイナイトレイ(東京都)/はばねろチキン(長野県)/細川おうぎ(愛知県)/瀬海リチ(福岡県)