これまでの受賞作品

第62回

今回の講評

今回の受賞者は、ファンタジーや時代風のキャラを描く人が多かったです。どの作品も、衣装や小物のデザインに工夫が凝らされており、見ていてワクワクさせられたのですが、反面気になったのは人体デッサンです。ドレスやマント、着物など、体のラインが隠れる衣装では、デッサンがなおざりになり、細かい部分は丁寧でも、全体を見ると不自然になっている作品が目立ちます。正しい人体デッサンは、魅力的なキャラクターを描く基本。体のラインが見えにくいシチュエーションの作品ほど、人体を正しく描くことを意識しましょう。

大賞

該当作なし

入選
月戸さん(神奈川県)

カラー、モノクロとも柔らかな描線で描かれている月戸さんの作品は、キャラクターの表情がとても魅力的。決して大げさな表情ではなく、ふとした瞬間をとらえたような表情がかえってリアルで自然です。カラーの塗り、モノクロのトーンワークとも、あっさりとした表現でありながらしっかり質感を表現できているのもいいですね。塗りのあっさりとしたところと、魔方陣や装飾品など緻密な部分を組み合わせるバランス感覚にもセンスのよさが感じられ、とくに高い評価を集めました。

佳作

    Fuwaさん
    (茨城県)

    個性的な絵柄で、男の子の筋張った手足はもちろん、迫力あるドラゴンや女の子の角など架空のものまで「リアル」に描けており実力を感じました。背景が部分的に雑なので、全体の完成度を揃えましょう。

    ねもこさん
    (東京都)

    カラーとモノクロで全く違う世界を描き分けようとする意欲が◎。カラーの塗りはこなれていますが、モノクロでは描線のぎこちなさが目につきますので、線画の完成度を高める意識を持ちましょう。

    NOTTさん
    (東京都)

    衣装や小物、背景のモチーフまで緻密で、全体の印象はとても美しいです。ただ、よく見ると人体のデッサンに違和感があります。関節のつながりや、手足の各パーツのバランスに注意して描きましょう。

    風凪ひかりさん
    (神奈川県)

    パッと見て誰の作品か分かる、個性的な絵柄を持っているのは大きな強み! 体の線が分かりにくいドレス姿のキャラは、頭と体のバランスなど、デッサンの問題がやや目立つので気をつけてください。

    沖之ガクさん
    (静岡県)

    衣装の個性的なデザインが魅力的で、細かいところまで描く集中力はかなりのものです。さらに高い完成度を目指すなら、描線の美しさとデッサン力の向上を意識して取り組むとよいでしょう。

    yasueNさん
    (愛知県)

    陰影のつけかたが独特で、意図的にシルエットで表現するところにもセンスを感じます。ただし、まだまだ描写力不足は否めないので、シルエットでなく全体を描き込む作品にも挑戦してみては。

    久保はるしさん
    (大阪府)

    カラーもモノクロも、女の子がとても丁寧に描かれパッと目を惹かれます。男女が違うキャラなのにも同じ顔、衣装のドレープが細かすぎて不自然…などの点が気になりますので、描き方を工夫してみて。

    棗紅さん
    (広島県)

    コミックイラストでありながら、顔立ちや人体のリアルさを表現しようとする意欲を感じました。風にゆれる髪の表現など、細かい部分も丁寧です。デジタルの塗りがあと一息単調。スキルアップを頑張ってください。

もう一歩の方

及位恵(秋田県)/秋尾(茨城県)/しらかば(千葉県)/柏田みのり(埼玉県)/寒がりな雪女(埼玉県)/ヤマダノリコ(東京都)/cyclo(神奈川県)/千塚ちよ(神奈川県)/ひじり(神奈川県)/もりこも(岐阜県)/細川おうぎ(愛知県)/甘津メイコ(大阪府)/corobokkuru(広島県)/夢乃桜(広島県)/たかえ(福岡県)/こだま(佐賀県)/睦深(宮崎県)