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―赤と青―あらすじ
『マムシとりんご』
群青が突然、赤城に「ケンカのやり方を教えてほしい」と言い出した。学校に通い始めたものの、朝鮮半島から引き揚げてきた群青は学校で不当な扱いを受け、鬱屈した気持ちを抱えていた。石鹸作り、そしてリョウ率いるアメンボ団との交流に居場所を見つけようとする群青だが、リョウともども思わぬ“事件”に巻き込まれることに――!?
『焼け跡のひなまつり』
群青と赤城は、東京で出会った近江勇吉・佳世子の兄妹とともに、バラックで暮らしている。ある日、群青とともに錦糸町へ出かけた佳世子が、闇市の店先に並べられている女雛に目を留める。それは、空襲で男雛を失い、一体だけ残った女雛だった。佳世子は、その女雛が欲しいというのだが、兄の勇吉は「女雛だけのひな飾りなんて縁起が悪い」と、妹の言葉を聞き入れようとはせず――。
『B・B・B
~ブルー・ブラザーズ・ブギ~』
13歳となった佳世子の様子がおかしい。群青に対しての当たりが妙にきついのだ。赤城は戸惑いながらも理由を探ろうと奔走するけれど、それが「ありあけ石鹸」社内に混乱を生んでゆき……?
『アカマツの聳える丘で』
群青は東海林の部下の猪野に化学を教えてもらうため、多摩丘陵のとある町まで何度も足を伸ばしていたが、しかし群青が東海林に近付くことにいい顔をしない赤城には明かせずにいて……。
※『焼け跡のひなまつり』『マムシとりんご』は、集英社オレンジ文庫HPで2024年8月・11月に掲載。
『B・B・B ~ブルー・ブラザーズ・ブギ~』『アカマツの聳える丘で』は書き下ろしです。
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阪上群青(さかがみぐんじょう)
朝鮮半島で生まれ、十四歳まで京城で育つ。終戦とともに引揚船で〝見知らぬ祖国〟へ帰国した。旧帝国陸軍・大河内中佐の妾腹の子。
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赤城壮一郎(あかぎそういちろう)
かつて満鉄(南満州鉄道)調査部に在籍していた。東京に戻ってからは群青とともに暮らし、ありあけ石鹸を起業した。
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近江勇吉(おうみゆうきち)
東京に着いた直後の赤城と群青と行動をともにする。商才があり、焼け野原に立つ闇市での商売をいち早く企てる。
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近江佳世子(おうみかよこ)
終戦後、焦土と化した東京で兄と暮らしていたが、のちに群青、赤城ともともに暮らすことになる。
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東海林千造(しょうじせんぞう)
戦時中、帝国陸軍で研究員をしていた。ありあけ石鹸製品開発部長。
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リョウ
上野の闇市を根城にしていた孤児たちの集団「アメンボ団」のリーダー。