いぬじゅんのお悩み相談室 いぬもあるけば

今回のお悩み

いぬじゅん先生、こんにちは。先日会社の人と趣味の話になりました。
読書が好きだと言うと皆一様に「自分は本は読まない」と言って会話が終わってしまいました。本を読まないと言う人には学生時代から何人も出会ってきました。大抵が本の話になると読まないから分からない、興味ない、知らないと言って話題を変えたがります。
本を読んでほしいとは言いませんが話ぐらいは聞いてほしいなと思ってしまいます。
いぬじゅん先生は本を読まない人たちにはどんな対応をしていますか?

(ジャンセン さん)

みなさんこんにちは、いぬじゅんです。
今回も皆さんのお悩みにズバッと、時にはゆるっとお答えします!

読者人口は年々減っていると耳にします。
いぬじゅんの本もだんだん手に取る人が少なくなり・・・・・・ううっ(泣)。

失礼しました。本題に戻りましょう。

私の友人に、とある映画が大好きな人がいます。
それはそれは熱狂的なファンで、会うたびに「観た?」と聞いてきます。
シリーズもののため、彼は紙に相関図やシリーズとの関係性について書いてくれますが、知識のない私には外国語を見ている気分になります。
「この主人公は、このシリーズで出てくるんだけど、なんとそれは十年後の世界なんだよ」
「一番のオススメはこれかな。でも、これを観るなら、最初の三本を観てからね」
彼の熱心さに負け、観てみようとは思うのですが、ほとんどストーリーを説明されているので、重い腰があがりません。

このように、自分の好きなものについて人は多く語る傾向があります。
質問者さまも、読んでほしい本があるのなら、まず相手が好きなことを聞き出し、チャレンジしてみてはどうでしょうか?
その上で、おススメの本をプレゼントしてみるとか?
ポイントは「読んだ?」と聞かないことですね。
それを言われると、強制的に読まざるを得ない状況になるので。
私も、「うちの子、本を読まないのよね」と相談されたときは、「まずは子どもの好きなことをやってみて」とアドバイスしています。
お互いの世界観を理解することからはじめましょう。

読書体験は、一度すればハマることもあります。
私も「いぬじゅんさんがきっかけで本にハマりました」と言われると、その場で踊り出すほどうれしくなります。

集英社オレンジ文庫では四作品が発売中です。
青春時代特有のせつないお話ですが、大人が読んでももちろんたのしめます。
読み終わったなら、今度はあなたの好きな世界を教えてください。