カラフル 阿部暁子 装画/禅之介

あらすじ

高校入学式の朝、駅のホームでひったくり犯を捕まえた荒谷伊澄は、犯人を足止めしようとした車いすユーザーの少女、渡辺六花と出会う。 伊澄と同じ高校の新入生で、弁が立ち気の強い六花に、伊澄はヤな女だな、と感じて……?

高校入学式の朝、駅のホームでひったくり犯を

捕まえた荒谷伊澄は、犯人を足止めしようとし

た車いすユーザーの少女、渡辺六花と出会う。

 

伊澄と同じ高校の新入生で、弁が立ち気の強い

六花に、伊澄はヤな女だな、と感じて……?

 

 

登場人物紹介

荒谷伊澄(あらやいずみ)
中学時代は陸上に全力で取り組んでいたが、怪我をしたことで引退し、仙台の高校に進学した。高校入学にあたり、三年間の目標として「本気にならない」ことを決めている。
渡辺六花(わたなべりっか)
伊澄と同じ高校の一年生。車いすユーザーとなったことで、子供の頃からの夢を絶たれてしまった。気が強く弁が立つ。
  • 那須清彦(なすきよひこ)
    中学で陸上をやっていたクラスメイト。高校でも陸上を続けており、伊澄を陸上部に誘う。
  • 上杉謙信(うえすぎけんしん)
    歴史オタクの祖父に戦国武将と同じ名前をつけられたクラスメイト。さわやかで愛嬌がある。
  • 力石さくら(りきいしさくら)
    六花と一緒にいることの多い、人見知りのクラスメイト。
  • 武井彩香(たけいあやか)
    伊澄や六花のクラスメイト。バスケットボール部に所属している。
  • 長谷川さん(はせがわさん)
    高校最寄りの綾峰駅の中年駅員。

書店員コメント

書店員さんからの感想もぞくぞく!

  • 東京旭屋書店新越谷店 猪股宏美さん車椅子ユーザーの少女と、中学時代の出来事に傷付き続けている少年の物語。高校生の話だけれど、大人こそ読むべき物語だと思った。知らず知らずのうちに持ってしまっている偏見や差別感情にハッとさせられる。正しさを見つけるのは難しいけれど、理解したいという姿勢は忘れずにいたい。自分を生きる力をくれる言葉の散りばめられた物語だった。
  • 明屋書店喜田村店 高橋杏奈さん普段余裕がないと自分の殻に閉じこもってしまって、周りが見えなくなってしまいがちだけど、伊澄や六花を見ていると、目の前の世界が一気に彩られ、視界が広がったようだ。手助けしてもらうのが当たり前とは決して思わず、できることは自分でやろうとする、そんな六花の姿を知っていたのに、青嵐強歩には参加しないだろうと無意識のうちに決めつけていた自分が恥ずかしかった。「~だからこうすべきだ」と勝手に作り上げた当たり前を当てはめてしまっていた。誰しも自分以外の人の気持ちを完全に理解することなんてできないけれど、相手を知りたい、力になりたいという気持ちがあれば、六花と出逢って少しずつ変わっていった伊澄のように変われるのかもしれないと思うと、これからの人生が明るく照らし出されたように感じました。
  • 日野屋ブックセンター 千葉典子さんいつ突然何が起こるかわからない今の世の中。常に頭のどこかで感じていた事が、随所に言葉として在り、思わず「その通り」とつぶやいていました。 「わけがわからなくなるほどたくさんの事情が絡み合って、情報があふれるこの世の中で自分はどんな立場を取るか、どう行動するのかあるいは何をしないのか」 「相手を何とかわかろうとする意志」 高校生の彼らがいろいろな事情をそれなりにでも受け止めて、しっかり考える事の大切さ。 『カラフル』を読んで感じてほしい。
  • 丸善丸広百貨店東松山店 本郷綾子さんこんな高校生活を送ってみたかったと、願わずにいられない。何かにつまずいたとしても、回り道のその先で、新たな扉が開いていくのだ。人生の階段の途中でうずくまる読者の背中をそっと優しく押してくれる爽やかな物語だった。
  • 水嶋書房くずは駅店 枡田愛さんきゅーーんってしました。あー青春! 挫折を味わったふたりの、まだ大人になってない、でも子供でもないあらゆる感情が言葉と態度に浮かび上がり昇華していく。自分だけ置き去りになっていく気持ちはたまらなく辛いだろうし、どうしても後ろ向きに考えてしまうと思うけど、一緒にいる仲間たちと本音で語り合えて、わかりあっていける。王道だけれど、読んでいて納得のアオハル小説でした。
  • ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真里さん伊澄が窓を開けた時、自分も世界がカラフルになったように感じた。自分はいつもこの人はこうだと決めつけ、わかり合おうとする前に閉じてしまっていたような気がする。想像するより自分の中の殻で固まっていた。殻が破れ、新しい自分が生まれた。世の中はカラフルだからその人の苦しみ悲しみ本当のことはわからないかもしれない。でも怠惰であきらめることはしたくない。何でも助けたい。それは人が望むことじゃない。その人の気持ちを想像して寄り添おうとする。そうしたい。すごく大切な事をこの作品が気づかせてくれた。
  • 大盛堂書店 山本亮さん相手を少しの違いで決めつけない。だけどそれがどんなに難しいことか。でも目を背けず真剣に向き合い続けるのは決して無意味ではない。大切な人と一緒にフェアな想いが生まれる奇跡を信じる主人公たちの姿に、心が打たれ自分を見つめ直したくなるはずだ。

書籍情報

カラフル

著者
阿部暁子
装画
禅之助

集英社 定価1,760円(税込)好評発売中
四六判/272ページ
ISBN:978-4-08-790152-8

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