三浦しをんが的確かつ楽しく伝える、小説の書きかた。
かといって、自作を愛しすぎて視野狭窄に陥ってもいけないのです。「ものすごく思い入れがあるのは感じられるが、場にそぐわない妙な置物が設置されてる庭」をドヤ顔で披露されても、客(読者)は困惑するほかありません。 原稿を書き終えたら、愛ゆえの鞭をびしばし自作にふるい、推敲に推敲を重ねましょう。たとえるなら推敲は、「庭の草を刈り、しかし野趣あふれる花は残し、妙な置物は断腸の思いで撤去する」行為です。
―本書「一皿目 推敲について」より一部抜粋三人称を選んだとしても、同じことです。私(三浦)がいまこの瞬間虫になったとして、「朝起きると、三浦は虫になっていた」って、そうナレーションしてるおまえはだれなんじゃい! どっかから見てるんなら、説明してないで助けてくれよ! てなもんですよ。
―本書「六皿目 人称について(三人称編)より一部抜粋三浦しをんの、あの作品の裏側が覗けるかも……。
当時のネタ帳を見ますと、「英太、紗絵 一人称 星くずドライブ」とだけ書いてあります。構成立ててないじゃないか! しかも登場人物の名前、できあがった小説とちがうじゃないか!(構想段階では「紗絵」だったのに、作中で「香那」にしたのは、「カナ」のほうが響きが鋭角かつ悲しげだからです。ちなみに「僕」は、「英ちゃん」と呼ばれています)
―本書「四皿目 短編の構成について(後編)」より一部抜粋『あの家に暮らす四人の女』は長編です。この話は、「谷崎潤一郎先生の傑作『細雪』を現代風にアレンジしたら、どうなるだろう」という思いつきが取っかかりでした。我ながら大胆かつ無謀な取っかかりだ。
―本書「二十一皿目 構想と構成、登場人物について」より一部抜粋三浦しをん節、さく裂。某きらめく一族への愛を筆頭に、こぼれ話満載。
この二カ月ほどのあいだ、私はさまざまな苦難に見舞われました。苦難の内実は、不注意で左足の親指の爪が丸ごとバーンと剝げ飛ぶ→かばって歩いていたら腰痛になる→出張出張また出張→原稿ピンチ→三代目コン→原稿ピンチ→三代目コン→原稿ピンチって感じです。
ま、そういうわけで(どういうわけだ)、「見てない」って言ってるかたがいらっしゃるにもかかわらず、自分の欲望に忠実に『ハイロー3(と略させていただきます)』の話をしてしまうのですが、いやあ、いろんな意味ですごかった! 改めて、「私やっぱり、このシリーズ大好きだわ」と思いました。





