- 暁闇編(好評発売中)
- 相剋編(9/18発売予定)
- 番外編(仮)(10/17発売予定)
昭和二十年。終戦直後の混乱の中、
大陸から見知らぬ祖国に引き揚げてきた少年・群青は「母を死なせたかもしれない男」と焼け野原の東京で生き抜くことになります。
きれいごとも通じない混沌とした街で、誰もが苛酷な朝を迎えていた時代に、群青たちが見つけた道とは――。
彼らが見た夜明けの景色をぜひいっしょにご覧ください。

戦時中、朝鮮半島に育った阪上群青。日本は太平洋戦争に敗れ、群青は母とともに引揚船に乗る。
だが、船中で母とはぐれた群青は、直後に何かが海に落下する音を聞いた。
その場に居合わせたのは、赤城壮一郎という男。
さらに謎の男が現れ、「赤城が君の母親を突き落とした」と告げられる。
母の失踪に赤城が関係しているのか。
疑惑がぬぐえないまま、行く当てのない群青は、赤城と共に焼野原を生きることに。
戦後の混乱期、上野の闇市で商売をするうちに、人々が衣食の次に必要なのは「清潔」だと気づき、
二人は仲間たちと石鹸会社を立ち上げた。ともに困難に立ち向かう日々の中、
群青にとって赤城がかけがえのない存在となっていく。
だがそんな時、引揚船の男が再び現れ、衝撃の事実を群青に伝えた。
果たして二人の行きつく未来は……。
「青春と読書」連載時の扉イラストを収録したイラストギャラリー付!
※当作品は、2022年に刊行された単行本『荒野は群青に染まりて 暁闇編』を文庫化したものです。
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戦時中、朝鮮半島に生まれ育った少年。引揚船の中で母を失うが、謎の男・赤城壮一郎に拾われ、焦土と化した東京で生きることに。
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群青と同じ引揚船に乗っていた男。母を失った群青の保護者となる。紆余曲折の末、東京で石鹸の製造販売会社を立ち上げる。
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群青と赤城が東京で出会った男。商才があり、焼け野原に立つ闇市での商売をいち早く企てる。
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勇吉の妹。幼いながらもしっかり者で、身寄りを失った群青に新しい「家族」として接する。
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上野の闇市を仕切る朝鮮人一派のメンバー。勇吉の商売の繁盛ぶりに目をつけ、彼を拉致する。
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勇吉の知人で、元陸軍の研究員。赤城たちの石鹸会社の一員となり、商品の改良を担当する。
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群青と同じ引揚船に乗っていた男。母を失った群青の保護者となる。紆余曲折の末、東京で石鹸の製造販売会社を立ち上げる。
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浮浪児グループ「アメンボ団」のリーダー。戦災孤児という立場ながら、仲間の少年たちを守る気概の持ち主。群青とはやがて協力関係に。
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群青が闇市で出会った復員兵の男。石鹸作りの腕利き職人で、群青に「石鹸の師匠」として迎えられる。
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国内有数の石鹸会社・桜桃石鹸の社長であり、勅使河原のかつての雇い主。勅使河原を連れ戻そうと赤城たちのもとにに乗り込んでくる。