「宝石商リチャード氏の謎鑑定」著者・辻村七子が贈る、人の心と骨董の物語。
デイケアセンターで働く白澤容は、施設利用者の老人・晴田に単発アルバイトとして、
車での送迎を頼まれた。目的地はカルチャーセンターで、
「中国骨董の世界・入門編」という講座が開催されるようだ。講師の名前は黒岩。
わけあって骨董の世界を離れた白澤容と、異例の若さで骨董店「かげろう堂」を営む青年・黒岩鼎。
ふたりが出会う、骨董をめぐる人間模様とは…?



『京橋骨董かげろう堂』1巻・2巻に収録されたエピソードを、
物語の中に登場する骨董とともにご紹介します!
第1話瓢箪瓶ひょうたんへい
白地にコバルトブルーで鳳凰、花卉、草花、虫などの文様が描かれた。ペルシャ産コバルトと中国陶器技術の融合によって生まれた染付を象徴する作品。白澤は謎の女性に「ふたつの文化の出会いは『よいこと』か」と問われ…?
第2話盒ごう
主に篆刻や朱泥(朱肉)を保管し、傷や汚れなどから守るために使用された入れ物。陶磁器や漆器などの素材で作られる。2つで1セットの「盒」を実業家姉妹が相続することになるのだが…?
第3話文筒ふみづつ
文人の書斎で筆や巻物を収めるために用いられた円筒形の器。実用品でありながら鑑賞性も備え、書斎の調度品としての側面もある。陶芸教室で出会った女性の悩みを聞いたふたりは…?
第4話龍耳瓶りゅうじへい
主に隋代に作られた白磁で、細長い瓶の肩部に、左右一対の龍をかたどった耳(取っ手)が付く。白磁が成熟へ向かう過渡期を代表する器形のひとつ。是非現品を見てみたい、とアメリカからやってきたお客様は…?
第1話觶し
古代中国で使われた祭祀用の杯。白澤の知り合いのコレクションにある殷代の青銅の觶を、偽物だけど買い取りたいという者が現れて…?
第2話俑よう
土や金属で作られた人形。店に展示されていた、唐時代の陶俑。骨董には詳しくないが、どうしても購入したいという女性が訪れて…?
第3話赤絵あかえ
赤を主として彩色した陶磁器。中国のものは五彩ともいう。黒岩たちは客から、友人の持つ赤絵を超える品を探してほしいと頼まれるが…?
第4話粉彩ふんさい
中国清代に始まった彩色技法。白澤が突然、かげろう堂を辞めたいと切り出した。古美術品コレクターが持っていた粉彩が関係しているようで…?
extra搔落かきおとし
陶磁器の装飾技法。表面の釉や化粧土を搔き落として模様を作る。店を訪れた中学生の女の子は、なぜか先代店主を知っていて会いたいようなのだが…?





