いぬじゅんのお悩み相談室 いぬもあるけば

今回のお悩み

いぬじゅん先生、突然のご相談失礼します。
趣味で作品を書いているものです。

即売会などのイベントにも参加することがあり
そこでたまたま出会って仲良くなった人がいるのですが、
やたらと対抗心を向けられるようになり、
「あなたはライバル」と言われたり、
真似されることもあります。

私は純粋に創作を楽しみたいだけなのに、
そういった感情を人から向けられると、
もやもやとした気持ちが湧いてきて
書くことが楽しめなくなるときがあります。

いぬじゅん先生ならどうやって解決するでしょうか。
もしよろしければご意見いただけると幸いです。

(おでん さん)

みなさんこんにちは、いぬじゅんです。
今回も皆さんのお悩みにズバッと、時にはゆるっとお答えします!

私も二度ほど「文学フリーマーケット」に参加したことがあります。
個人や仲間で製作した冊子や書籍の展示や販売をしており、小説だけでなく俳句や詩、エッセイや研究書までありました。
トランク一杯に購入した本の中には、今でも読み返すほどに心を奪われた作品もあります。
どの作家さんも自分の世界観を形にし、それが私だけでなく読んだ人の心を動かすのでしょう。

「文学フリーマーケット」の公式サイトを見ると、このような文章が載っています。
「文学フリマとは、文学作品の展示即売会です。出店者が『自分が<文学>と信じもの』を自らの手で販売します」

作品は自分を映す鏡のよう。
あなたにしか描けない世界がそこにあるのです。
誰かになにを言われようと、その鏡を曇らせないようにするのはあなた自身なのです。
自分の作品力を信じて描き続けてほしいです。

そのライバル視してくる人は、実はあなたのファンだと思います。
アプローチの仕方は間違っているとはいえ、あなたを認め、憧れているのです。
そうじゃなきゃ真似なんてしません。
もしかしたら、自分の作品に自信がないのかもしれません。
なにか言われた際には、卑屈になることもおべっかを使う必要もありません。
褒められても、たとえ指摘をされたとしても、「ありがとうございます」とにこやかにやり過ごしましょう。
目線はあくまであなたの作品に興味を持ってくれるお客様へ。

購入してくれた作品は電車に揺られ、その人の家まで旅をします。
あなたの作品を楽しみ、共鳴し、その人の本棚の一冊として並ぶ。
それが、作家にとっていちばんうれしいことなのですから。