魔法使いのお留守番 第六話

ヒマワリの招待状


 タジマが己の(あるじ)のため、決死の思いで不老不死となる方法を探しに国を出てから、すでに一年余りが過ぎようとしていた。
 まず向かった魔法使いシロガネの島では手ひどく追い返され、その後は大陸中を回って不老不死になるという薬や魔法を訪ね歩いた。しかしそのどれも、真に不老不死を得られるようなものではなかった。
 つい先日、ヒムカ国にシロガネが現れたと聞いたタジマは、急いで彼のもとへと向かった。
 そこでタジマを出迎えたのは、(うわさ)に聞く銀髪の魔法使い。不老不死の薬の代金として提示されたのは目玉が飛び出そうなほどの大金だったが、タジマは借金までしてなんとか都合をつけた。そうして彼はついに、不老不死の妙薬を手に入れることに成功したのだった。
 ところが、である。
 薬を手に意気揚々(ようよう)と国へ戻ろうとしていた矢先、あの銀髪の魔法使いはシロガネを(かた)る偽者であり、殺人と()()の罪で捕らえられたという知らせが飛び込んできた。彼が売り(さば)いた薬は、真っ赤な偽物だったのだ。
 支払った金は、戻ってくることはなかった。
 悲嘆にくれる日々を過ごしたタジマはしかし、(あきら)めなかった。
 そうしてこの日、十か月ぶりに戻ってきた(はて)(じま)を船から見つめながら、彼は決意を固めていた。今度こそ、なんとしてもシロガネ本人に会って、本物の不老不死の薬を得るのだ。
 前回の反省を踏まえ、彼は例の砂浜には決して近づかなかった。島の住人は、そこからやってくる来訪者を重点的に警戒しているに違いないのだ。
 タジマは船を、砂浜とは反対の東側へと向かわせた。そこは反り返るような絶壁が(そび)え立っているものの、(はる)かに見えるあの城には最も近い。シロガネは必ず、そこにいるはずだ。
 この崖をよじ登り、密かに城の内部へと入り込む。そして、シロガネに直談判するのだ。
 注意すべきは、前回彼らを海へと放り出したあの男である。とんでもない(りょ)(りょく)を持つあの男に見つかった場合に備え、タジマはあるものを(ふところ)(ひそ)ませていた。
 最新式の銃である。小型で持ち運びやすいそれは、一瞬で相手の胸を撃ち抜くことができる。出会い(がしら)に胸に撃ち込めば、どれほど剛の者であっても銃弾に倒れるはずだ。
 本来であれば、こんな真似はしたくなかった。シロガネに説明し、説得し、(ほう)(しゅう)を渡して協力を仰ぎ、(こころよ)く応じてほしかった。だが前回のことで、どうやらシロガネは不老不死の秘術を己一人で()(とく)し、誰とも分かち合うつもりはないのだということを思い知らされたのだ。
(もう、こうするしかないのだ)
 シロガネを(おど)し、縄で縛ってでも王のもとへと連れていく。
 今頃、主の病はさらに悪化しているに違いなかった。遠く離れてしまい知る(すべ)もないが、もしかしたらもはや、その命が尽きようとしているかもしれない
 タジマは決心して、崖に(くい)を打って登り始めた。
 ここでもやはり、恐ろしい幻影や妨害が嵐のように襲ってきた。幾度も炎に巻かれ、(いばら)(つる)に絡めとられ、巨大な()()に喰われそうになり、海へと落ちた。その度に態勢を立て直し、再び崖を登る。島を守る魔法はさらに厳しく、過酷になっている気がした。
 だが、彼は決して諦めなかった。日が暮れるとわずかに船の上で仮眠をとり、朝日とともに再びこの試練に挑んだ。
 そうして太陽が南に昇る頃、ついに崖の上へと到達したのだった。
 最後の力を振り絞って、上半身を持ち上げる。
 目の前に大きく迫る城が見えた。その手前には、手入れの行き届いた美しい庭が広がっている。
 やった、と思った瞬間。
 ふいに人影が現れた。
 どきりとしたが、しかしすぐにそれが小さな子どもだと気づいた。
 ぱたぱたと走ってやってきた金の髪の少年が、タジマに気づいて驚いたように立ち止まる。
 まずい、と思った。
 きょとんとした顔で彼を見つめる少年が、突然叫び出さないだろうか。
 ここで誰かを呼ばれては困る。
 一瞬、彼は躊躇(ためら)った。
 胸元に潜ませた銃を取り出そうか。しかし、年端も行かぬ子どもにこれを向けるのか。
 タジマが(しゅん)(じゅん)しているうちに、少年はひやりと冷たい視線をこちらに向けた。あどけなかった表情が、一瞬のうちに驚くほどの冷酷さを(にじ)ませる。
 小さな舌打ちが聞こえた。
 そのあまりの(ひょう)(へん)ぶりに、タジマは思わず目を疑う。
 彼のひとさし指が、すうっとタジマに向けられた。
消えろ」
 声変わり前の、高い(こわ)()
 途端に、身体(からだ)が崖から引き剝がされ、宙に浮いた。
 空中に留められたまま、タジマはもがいた。少年の、(よう)(しゃ)のない残酷な視線を感じる。
 胸が苦しい。見えない手に握りつぶされているような痛みが走った。
 息が、できない。
(殺される!)
 胸を()きむしりながら血を吐いたタジマは、死を覚悟した。
 そのまま彼は、引きずり込まれるように海へと落下した。
!」
 落ちていく時間は、妙にゆっくりと感じた。
 タジマは薄れゆく意識の中で、(かす)かに思考を巡らせた。
 これは魔法だ。あの少年は、魔法使いに違いない。
(まさか、あの子どもがシロガネ?)
 彼の意識は、そこで途絶えた。
 海に沈んだ彼はその後、仲間によってなんとか船へと引き上げられたが、もう二度とこの島を訪れることはなかった。
 タジマはその後、さらに旅を続け、不老不死の薬といわれる果実を(たずさ)え母国へと帰還した。しかし、彼の仕える主はその頃、すでにこの世の人ではなくなっていたのだった。


 ヒマワリはきょろきょろとあたりを見回し、誰もいないことを確認した。
 アオは買い出しで城を出ているし、クロは居間で昼寝中だ。
 やるなら、今しかない。
 シーツに包んだ荷物を背中に背負って、足音をさせないよう自分の部屋を出る。そのまま庭の、一番大きな木の下へと駆けていった。枝葉は大きく広がった屋根のように伸びていて、その下に立つとすっぽりとテントに覆われているようだ。
 ここがいい、とヒマワリは荷物を下ろした。
 二人に気づかれないよう、準備を進めなくてはならない。再び城へ向かって駆け出す。運び出すものはほかにもあるのだ。
 その途中、視線を感じてヒマワリは足を止めた。
 見れば、東の崖の向こうから一人の見知らぬ男が顔を出している。
 濡れた髪が(ひたい)にへばりつき、ぜえぜえと肩で息をしながら、驚いたような()(もん)の形相でこちらを凝視していた。
 ヒマワリは、ひどく不愉快になった。
 どうせまた、不老不死を求めてやってきた招かれざる客だろう。厚かましくも、島の上まで入り込んできた侵入者。アオが不在だから、すぐに検知できなかったのだ。
 アオとクロと、そしてヒマワリが暮らすこの島の平穏と、そして今からヒマワリが行おうとしている秘密の計画を邪魔する者。
 思わず、小さく舌打ちする。
 魔法は、アオとクロの前以外では使わないと約束した。
(でも、これは例外でしょ)
 ヒマワリは見えない扉を開き、魔法をその身の内に(あふ)れさせた。
消えろ」
 男の心臓を見えない糸で縛り上げる。苦しみ(もだ)える中、そのまま海へと突き落として沈めた。
 死なない程度にしておいたが、そのまま放っておけば死ぬだろう。仲間がいれば助けてもらえるかもしれないが、そこまで興味はなかった。
「おーい、ヒマワリ」
 振り返ると、庭の向こうからミライが手を振りながら近づいてくる。
「ミライ。今来たの?」
「うん。なんだ、何かあったか?」
 ぼんやりと崖の(ふち)に突っ立っているヒマワリに違和感を抱いたようで、ミライは訝しそうに(たず)ねた。
「ううん、なんでもなーい」
 くるりと崖に背を向けて、ヒマワリはにこりと微笑(ほほえ)んでみせる。
「ちょうどよかった、ミライ! ちょっと手伝ってよ」
「何を?」
「テーブル運んでほしいの。あっちの木の下に」
「えー、俺、肉体労働には向いてないんですけど」
「アオとクロには内緒にしたいの。お願いー」
「内緒ってお前、なんか変なこと(たくら)んでるんじゃないだろうな」
「違うよー。ねぇ、早く!」
 せかすようにミライの服を引っ張る。今日はモスグリーンのシャツに、ゆったりした黒いズボンという(かっ)(こう)だ。
「わかったよ。どのテーブル?」
「あっちの! 音立てないでね、そうっと運んで! クロが寝てるから、絶対起こしたらだめだからね!」
「注文多いな」
 ぶつくさ言いながらもミライはテーブルを運び出してくれて、ヒマワリが指示した通り木の下に置いた。
「あと、()()を二つお願い」
「まだあんのかよ。人使い荒いわー」
 渋い顔をしつつ椅子を運んだミライに、ヒマワリは礼を述べた。これで、あとは自分で準備を済ませればいい。
「ミライ、もう一個お願いあるの」
「えー、もう重いものは持てないぞ。疲れた」
「違うよ。アオとクロに、これ渡してきて」
 ヒマワリはそう言って、白い封筒を一通手渡した。


(なんなんだ、これ?)
 ミライは首を(かし)げながら、受け取った封筒をポケットに入れて一人、城へと戻っていった。
「おやミライさん。こんにちは」
 買い出しから戻ったばかりらしいアオが、荷物を抱えながら律儀に(あい)(さつ)した。
「今来たところですか?」
「いや、一時間くらい前」
 アオとともに居間に入ると、ヒマワリが言っていた通り、ソファの上でクロが寝息を立てていた。二人の気配に気づいて、うっすらと目を開ける。
なんだ、ミライか」
「うわ、傷つくその言い方」
「クロさん、ヒマワリさんは?」
「そのへんで遊んでんだろ」
 ミライはごそごそと、ポケットから封筒を取り出した。
「はいこれ、ヒマワリから」
「なんだこれ」
「二人に渡してくれってさ」
「手紙、ですか? おや、きっちり(ふう)(ろう)まで」
 アオが受け取って、訝しそうに返す返す眺める。
「読んでいいのでしょうか」
「どうぞ」
 封を開くと、一枚のカードが現れた。
 アオがゆっくりと読み上げる。
「ええと

『アオ様、クロ様

 秘密のパーティーにご招待します。
 場所・庭の大きな木の下
 時間・午後三時
 どうぞ(ばん)(しょう)お繰り合わせの上ご参加ください』

 クロが横から、(あき)れたようにカードを(のぞ)き込む。
「なんつー言葉知ってんだよ、あいつ」
 ひゃひゃひゃ、とミライは笑い声を上げた。形式だけは大人を真似たつたない招待状が、ひどく可愛(かわい)らしい。
「追伸、参加費は無料ですだそうです」
「追伸にする必要あるか? 本文に書けよ」
「追伸、とかわざわざ書きたいお年頃なんだよ。わかってやれ」
 アオが、マントルピースの上に置かれた時計を確認する。
「午後三時、もうすぐですね」
「一体何する気だよ。ミライ、お前も片棒(かつ)いでんのか?」
「言い方。俺は荷物持ちしただけだし」
「家出の書置きではなくてなによりでした。ともかく、庭へ行ってみましょうか」
 折角なので、ミライもついていくことにする。残念ながら自分は招待されていないわけだが、これだけ手伝ったのだから見学する権利くらいはあるだろう。何しろ、突然過去に飛ばされて、暇なのだ。
 三人は細い(れん)()の小道を抜け、生垣を越えてハーブ園を通り過ぎていく。季節はすでに冬だが、南の果てにあるこの島は温暖な気候なのでそれほど寒くはない。
 見上げれば、雲一つない気持ちのいい空が広がっていた。庭の大きな木の緑が日の光を受けて、美しい編み目のような影を足下に落とし揺れている。その木漏れ日の中に、先ほどミライが運んだテーブルと椅子が据えられており、テーブルには白いシーツがかけられていた。テーブルクロスの代わりだろうか。
「いらっしゃいませ! 招待状を拝見します!」
 ヒマワリが胸を張り、妙にませた口調で彼らを出迎えた。
「はい、こちらです」
 アオが先ほどのカードをヒマワリに渡すと、ヒマワリは(うれ)しそうに(うなず)いた。
「間違いないです! では、お席にどうぞ」
「なぁ、何する気だ?」
 クロが訝しそうに尋ねるが、ヒマワリは「お客様、お席におつきください!」としか言わない。
 一体何が始まるのか、とミライは二人の後ろに(たたず)んで様子を見守る。
 ヒマワリはテーブルの後ろに回ると、ぱっと身を隠すように(うずくま)った。シーツに隠れて、彼の小さな姿は見えなくなる。カランカラン、とベルが鳴った。
「はじまりはじまり~」
 テーブルの上に、ちょこんと人形が現れた。
 ヒマワリが手を差し込んで動かしているその人形は、黄色の毛糸がいくつも頭に()い付けられた、おかっぱ頭の男の子だった。
「昔々あるところに、男の子がいました。男の子は船に乗って冒険に出ましたが、嵐にあってある小さな島に流されてしまいました。男の子は自分の名前も思い出せません」
 どうやらその人形が、ヒマワリ自身らしい。
「さみしくて怖くて男の子が泣いていると、大きな巨人が現れました。どすーん、どすーん」
 もうひとつ、人形が登場する。
 男の子の人形の倍はある、青い巨人だ。
「巨人は強くてとっても優しくて、男の子に美味(おい)しいごはんを作ってくれました」
 アオが目を丸くした。
 わたわたとクロとミライに、「俺ですか? 俺ですかね?」と確認する。
「すると今度は、大きな竜が現れました。びゅーん」
 巨人の人形を座らせて、竜の人形を片手で持ち上げ、空を飛んでいるように回してみせる。といってもそれはだいぶ不格好で、多分竜、としか言えない造形ではあったが。
「竜は男の子を背中に乗せて、空を飛んでいろんな国を見せてくれました」
 クロは無言で眉を寄せただけで、つたない人形劇をじっと見つめている。
「男の子はもう、さみしくありませんでした。巨人と竜も、本当はずっと二人きりでさみしかったので、男の子が来てくれたことを喜びました。三人は約束しました。辛い時は助け合って、嬉しい時は一緒に笑って、家族のように暮らそうと」
(へぇ
 ミライは感心した。
 存外、よく見抜いている、と思う。
 アオとクロは認めないかもしれないが、彼らがシロガネを待ち続けながら(せき)(りょう)感に(さいな)まれていることは、ミライも感じていたことだ。
「そうして男の子は、巨人と竜と一緒に、ずっとずっとその島で楽しく幸せに暮らしましたとさ。おしまい」
 劇が終わる。
 ミライは大いに拍手を送った。
 物語を考えて、人形を自分で作って、舞台を用意してミライも手伝ったがこれを一人でやった企画力と実行力と頑張りは、素直に称賛に(あたい)する。
 (かん)(じん)の招待客の様子を、ちらと(うかが)った。
 アオは感動のあまりか、恐ろしいほどがくがくと高速で揺れ続けていた。もはやその姿はほぼ残像のようになっており、よく見えない。
「アオ、おい、大丈夫か?」
「△あ@×6kp〇*ぅ8%#
 言語まで崩壊している。
 一方クロはというと、顔を両手で覆って(うつむ)いている。
 ミライは、恐る恐る話しかけた。
もしもし、クロさん? もしかして、泣いてる?」
 すると、「泣いてねぇ!」と(うわ)()った声が、小さく漏れ聞こえてきた。
「目に、ごみが入った、だけだ!」
「その超古典的言い訳、この時代からあるんだ」
 人形と一緒にテーブルの向こうから顔を出したヒマワリは、やり遂げた達成感で(ほお)を紅潮させ目を輝かせている。その表情は、どう? 褒めて? と言わんばかりだ。
 しかし揺れ続けるアオと俯いているクロを見て、不安そうな(おも)()ちに変わる。
「アオ? クロ? ねぇ、見てた?」
 駆け寄って二人の手を取ると、()れたように揺すった。
 ようやく落ち着いてきたアオは、こくこくと頷きながらも言葉は出ないようである。
 クロは(ぶっ)(ちょう)(づら)で赤い目をしながら、
俺はもっとかっこいい」
 と人形の出来にダメ出しをした。
 ヒマワリはそんな二人に、けらけらと笑い声を上げている。
 その光景に、ミライの口元には自然と笑みが滲んだ。
 アオと、クロにまた会いたい。もっと一緒にいたかったもっと
 死の間際、シロガネが望んだのは、ただこの二人にまた会いたいという願いだけだ。
(会えたぞ、ちゃんと)
 目の前の三人は、互いにそのことにまだ気づいていないけれど。
「よかったなぁ
 誰にも聞こえないほど、小さく呟く。
 しかし、微笑ましく彼らを見守りながらも、ミライはわずかな懸念を胸に抱いていた。
(でもこの先はどうなる?)


お前、また会えるぜ。あいつらに」
 そう告げた、あの日。
 これがシロガネが死ぬ直前に会える、最後の機会だろう。
 ミライは、これだけは聞いておきたいと思う質問を投げかけた。
「なぁ。結局、お前の研究ってなんだったんだ?」
 大魔法使いシロガネは、不老不死を研究し続けそれを手に入れた(こう)(かん)ではいわれている。
「ずっと何か、研究してたんだろ。世間で言われるような、不老不死についてじゃあないんだよな?」
「うん、違うよ」
 死を目前にしたシロガネは、なんだかすでに悟り切って人の領域を超えているかのように(たい)(ぜん)としていた。ほんのり微笑みを浮かべながら、その瞳は何もかも見透かすようだ。
「最後だし、俺だけにこっそり教えてくれてもいいだろ? もちろん、誰にも口外はしないと誓う。時間旅行者としての唯一の楽しみは、この世の誰も知り得ない歴史の真実を知ることだからね。むしろ、この能力を授かった理由はそこにあるかもしれないと、俺の一族は以前から考えてるくらいだ。人類の記憶を見守る者それが、俺の存在意義なのかもしれない」
 冗談めかして言いながらも、ミライは真剣だった。
 何を聞いても、すべて己の胸だけにしまうつもりだ。
 するとシロガネは、しばし黙り込んだ。
 そうして、どこか遠い目で、()(くう)を見つめる。
『永遠』を、断ち切る方法」
「え?」
 ミライは眉を寄せた。
「永遠を、断ち切る?」
 そう、とシロガネは、静かに告げた。
「僕はこの世からすべての魔法使いを消し去りたいんだよ」

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