これまでの受賞作品

2019年受賞作品

大賞
ひきこもりを家から出す方法
ひきこもりを家から出す方法猫田左文 改め 猫田 佐文(兵庫県)
受賞の言葉
「騙されてるんちゃうん?」
弟に受賞を伝えると、そんな言葉が返ってきました。それくらい信用のない兄が僕です。
そんな自分が賞を、それも大賞なんてものを受賞するなんて思ってもみませんでした。選んでくれた方々には感謝しかありません。
ここまで来られたのは支えてくれた家族のおかげです。ようやくスタートラインに立てました。
こんな自分ですが、これからもプロとして書き続けられるよう、そして読んでくれた人が少しでもなにかを得られる作品が書けるよう、精進して参ります。
プロフィール
兵庫県出身、在住。普段はひきこもって小説を書いているが、たまに訳の分からないやる気が出て自転車旅とかやり出す人。太宰先生に会うために青森の津軽まで走ったものの、あまりの寒さに泣きそうになり、秋田からフェリーで敗走した過去を持つ。
2020年1月文庫化!!

ひきこもりを家から出す方法

僕がひきこもりになって十年が過ぎた。もう二十四歳になるらしい……。 影山俊治は、些細なつまずきが原因で自室から一歩も出られなくなり十年。 そんなある日「ひきこもりを家から出す」プロ集団から、敏腕メイドが派遣されてきて……!? 「ちょっと生きづらい」と感じる、すべての人へ―― 圧倒的当事者感で語られる切なくも優しい再生の物語!

準大賞

該当作なし

佳作
愛を綴る
愛を綴る森 りん(神奈川県)
受賞の言葉
素晴らしい賞を賜り、選考に携わって下さった皆様に感謝申し上げます。
本を読むのが好きでした。
いつか皆に読んでもらえる小説を書きたいと思っていました。
大人になり、文学とは関係のない仕事に就き、現実に埋もれながらも、夢を捨てられず、物語を綴りました。あなたに読んでもらえる機会を得たことを嬉しく思います。
プロフィール
静岡県出身 O型 射手座 地元のみかんと緑茶をこよなく愛する。
2020年1月文庫化!!

愛を綴る

孤独と貧困に負けることなく、けなげに生きてきた少女フェイス。17歳になりファーナム侯爵家のメイドとして働き始めるが、森で迷い途方に暮れていたところを、不思議な青年ルークに助けられる。字を読むことも書くこともできなかったフェイスは、ルークに文字の手ほどきを受けながら、知らず知らずに愛に目覚めていく……身分違いゆえに禁じられた純愛の行方は…!?

流転の貴妃、或いは塞外の女王
流転の貴妃、或いは塞外の女王蒼井 トウコ 改め 喜咲 冬子(北海道)
受賞の言葉
書き続ける日々は、概ね曇天のような気がいたしますが。今日この日の清々しい青空を心の糧にして、今後も励んで参ります。
選考委員の諸先生はじめ選考に携わってくださいました皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
プロフィール
函館生まれ、札幌在住。第3回富士見ラノベ文芸大賞審査員特別賞受賞。2019年ノベル大賞佳作受賞。著書に富士見L文庫『黎明国花伝』『華仙公主夜話』など。
2020年1月文庫化!!

流転の貴妃 或いは塞外の女王

後宮の貴妃だった紅玉は、北方の騎馬民族の盟主へと嫁がされることとなった。 “狄”と呼ばれ蔑まれる異民族の新王への贈りものとして。しかし紅玉を待ち受けていたのは、嫁ぎ先の氏族と敵対する者たちによる襲撃だった。戦利品として囚われた紅玉は、年下のアマルという少年の妻となるように言われ? 不遇のなかから、才覚と勇気ですべてを摑み取る中華風浪漫譚!

審査員講評
  • 三浦しをん
    ひとの心の繊細な部分について、できるかぎりの配慮が必要だろう。それが、作品の「本当らしさ」をより高め、深めることにつながる。
  • 桑原水菜
    全員に受け容れられることなど求めてはいけない。
  • 今野緒雪
    「大好き」とも「大嫌い」とも言われるような、振り幅のある個性溢れる投稿作品は歓迎します。
  • 吉田玲子
    ひとりの部屋から外の世界に出るための物語。それは今、必要な物語であるでしょう。