これまでの受賞作品

2018年受賞作品

大賞
応挙の虎、古井戸の月
応挙の虎、古井戸の月佐倉 ユミ(群馬県)
受賞の言葉
大変な賞をいただき、うれしさと、それ以上の不安とが交互に押し寄せております。選考に携わってくださった皆様、長い間ずっと応援し続けてくださった皆様へ、心より感謝申し上げます。 受賞作は時代物ですが、ファンタジーを書くのも大好きです。皆様の心に届く物語を書けますよう、精進してまいります。
プロフィール
群馬県出身、在住。好きなものは海外文学とスポーツ観戦、美術館めぐりなど。マスカラを塗らないと東京へ行けない小心者です。
2018年12月文庫化!!

うばたまの 墨色江戸画帖

青井東仙(あおいとうせん)は十一歳のとき貧しさから逃れるように家を出て、江戸で偶然出会った絵師・松山翠月(まつやますいげつ)に才能を見出され、弟子となった。しかし、夜具も食事も着物も与えられ満たされた暮らしに次第に創作意欲をなくして破門されてしまう――。才能に溺れ、落ちぶれた絵師が再起をかける、大江戸人情譚! 闇と現が隣り合わせの江戸で、東仙は再び夢を描く…。新・時代小説!

準大賞

該当作なし

佳作
さよなら、Mr.ナイトメア
さよなら、Mr.ナイトメア糸 改め 水守 糸子(東京都)
受賞の言葉
このたびはすばらしい賞を賜り、ありがとうございます。つたない物語を読んでくださった選考委員の皆さま、選考に関わったすべての方に心より御礼申し上げます。
幼い頃から未知の世界に連れて行ってくれた物語たちと、また少し旅をできることがうれしいです。
未熟ではありますが、ひとときでも楽しんでいただける物語をお届けできるよう精進してまいります。
プロフィール
東京都出身。定食屋さんの「いつもの」メニューは、豚肉生姜焼き丼温玉のせ。近頃はオーダー前から作ってくれる。
2019年1月文庫化!!

ナイトメアはもう見ない 夢視捜査官と顔のない男

夢で他人の記憶を見る異能を持つ者――夢視者の笹川硝子は、特殊捜査官として京都府警に勤めていた。遺体に触れるとその者の死の瞬間を追体験できる能力を活かし、いくつかの事件を解決に導いてもいる。そんな中、同じく特殊捜査官で先輩でもあった女性、未和が行方不明となってしまう。硝子のもとには未和から謎のメッセージが送られてくるが、それは特殊捜査官を巡る暗部への入り口で…?

ナヅルとハルヒヤ 花は煙る、鳥は鳴かない
花は煙る、鳥は鳴かない青暮波緒 改め 乃村 波緒(東京都)
受賞の言葉
このたびは佳作をいただきまして、まことにありがとうございます。
応募作には、今私が書きたいものを詰め込みました。そうして自分が書いたものが評価されるという幸運に恵まれ、とても嬉しいです。
選考に携わってくださった方々、私の文章を認めて好きだと言ってくれた家族・友人・学校の先生、私の文章の糧となったあらゆるもの、すべてに感謝します。本当に、ありがとうございました。
プロフィール
秋田県出身。緑色と美味しいものとロシア語が好き。
2019年1月文庫化!!

ナヅルとハルヒヤ 花は煙る、鳥は鳴かない

毒がなければ生きていけないと言った「先生」についていったナヅル。彼はなぜ、いま帰ってきたのか――。生まれ育ったマキヨノで仕事を得て、愛する女性もいる安定した生活を送るハルヒヤ。懐かしい友人・ナヅルとの再会を喜んだものの、彼が「花煙師」になったことを知る。ナヅルがいない間に、マキヨノでは花煙師の出入りを禁止することが決まったのだ。複雑な思いでナヅルと接するハルヒヤだったが…。

審査員講評
  • 三浦しをん
    物語の「型」から微妙に外れているのだが、リアルな「悩み」の描き方に蒙を啓かれた。
  • 桑原水菜
    その一文に出会うために読む。きっとそういう読者は増えていくはずだ。
  • 今野緒雪
    架空の世界が実在しているかのように感じられるのは、その世界が作者の脳内ではリアルに存在しているからだ。
  • 吉田玲子
    価値観が多様化する今、応募作も年々バラエティに富んできているように思われる。